女性記者のひとりごと vol.9 ジョギング
昔は役人との親睦会といえば、ゴルフ、麻雀、キャバクラが定番だったが、時代が変わったものだ。最初は「お付き合い」のつもりでも、走っているうちに仕事抜きで楽しくなってしまうらしい。

省庁詰めの記者の中には、職員のジョギングに付き合って親睦を深めている記者が多い。
たいていは「早帰り日」の水曜日。
昔は役人との親睦会といえば、ゴルフ、麻雀、キャバクラが定番だったが、時代が変わったものだ。
最初は「お付き合い」のつもりでも、走っているうちに仕事抜きで楽しくなってしまうらしい。
ジョギングシューズを記者クラブに常備し、走った後は近くの銭湯でひと風呂浴びてから一杯。
健康にいいんだか悪いんだか。でも楽しそうだ。
一緒に走っていい汗かいて、ひと風呂浴びてビールで乾杯すれば、
役人との親睦も一気に深まるというものだろう。
中には某キャリア官僚に付き合って、100キロマラソンに参加したというツワモノもいる。
フルマラソンの経験もなく、「大会」に参加したこともないのに
いい度胸と言うか無謀というか…。とにかく見上げた根性だ。
かつて私も「一緒に走ろう」と誘われてジョギングシューズを買いに行ったことがある。
しかし神保町のスポーツ用品店でアレコレ試着しながら
「走った後は皆で飲むんだっけ…」
「ひと風呂浴びてからってことはスッピンで…?」
「いや〜スッピンは無理無理!」
「かといってお風呂のあとに化粧するのも嫌だし…」
…などとしょーもないことをアレコレ考えているうちに疲れてしまい
結局まだ一度もジョギングには参加していない。
自分に合った「お付き合い」が一番、と自分に言い聞かせ、
飲み会をハシゴする日々が続いている。

著者: 川瀬かおり
記者/税金ライター
社会部を根城とする税金オタクの女性記者。財務省・国税庁を中心に取材活動を展開すること20余年。事件モノを得意とし、裁判所にも日参する。税金ネタをこよなく愛する一方で、税制の隙間や矛盾を見つけては叩きまくるサディスティックな一面も。趣味は夜討ち朝駆けとクラブ通い。