この記事の目次
- 非上場株式評価の見直しは、若手税理士・会計士の可能性を広げる
- 1.改正で、事業承継の仕事がなくなるわけではない
- 2.「株価を下げる支援」から「承継を実現する支援」へ変わる
- 3.高度税務は残るが、高報酬・高責任・少数案件になる
- 4.事業承継税制の需要は増えるが、担い手は減る可能性がある
- 5.事業承継税制を「利益商品」ではなく「入口商品」と捉える
- 6.税務だから、先代経営者の深い課題に入れる
- 7.事業承継を通じて、次の30年を担う後継者につながる
- 8.後継者が本当に困るのは、承継後の経営である
- 9.税務単体の収益から、継続支援によるLTVへ変わる
- 10.AI時代のキーワードは「税務×○○」
- 11.さいごに~「税務×コンサルティング」を実現する環境選び
- 事業承継コンサルタント職 オンライン説明会のご案内
- 企業の「次の30年」を創る、あなたの経験と専門性 〜「税務×コンサルティング」で挑む事業承継のリアル〜
事業承継コンサルタント職 オンライン説明会のご案内
みらいコンサルティンググループでは、2026年8月17日18時より若手向けオンライン説明会を実施します
企業の「次の30年」を創る、あなたの経験と専門性
〜「税務×コンサルティング」で挑む事業承継のリアル〜
詳細は記事の最後にご案内します
非上場株式評価の見直しは、若手税理士・会計士の可能性を広げる
1.改正で、事業承継の仕事がなくなるわけではない
※ここでいう「優良企業」とは、利益や純資産が蓄積し、非上場株式の評価額や納税負担が事業承継上の課題となる非上場企業を指します。
現在、国税庁主催のもと非上場株式評価の見直しが議論されていますが、それにより
これまで学んだ株価評価や事業承継の税務は無駄になるのではないか
事業承継の仕事そのものが減るのではないか
と不安を持つ若手もいると思います。
しかし、事業承継の仕事がなくなるわけではありません。
変わるのは、税務の必要性ではなく、税務の使われ方と収益モデルです。
2.「株価を下げる支援」から「承継を実現する支援」へ変わる
非上場株式の評価が企業実態をより重視する方向へ見直されれば、従来のように株価を大きく引き下げる対策は、以前ほど効果を出しにくくなる可能性があります。
その結果、非上場優良企業の事業承継は、
株価を下げて税負担を圧縮する支援
から、
事業承継税制を活用し、承継を確実に実現する支援
へ重心が移ります。
3.高度税務は残るが、高報酬・高責任・少数案件になる
株価評価、組織再編、資本政策、総則6項、否認・争訟対応などの高度税務は、今後も必要です。
加えて、制度が変わるほど、改正内容を正確に理解し、企業ごとに判断できる専門家の価値は高まります。
その一方で、高度税務は、
- 高付加価値
- 高報酬
- 高責任
- 少数案件
の専門領域になります。
判断を誤れば、追徴課税や争訟だけでなく、専門家として損害賠償責任を負う可能性もあります。
つまり、仕事は残りますが、これまでのような市場全体を支える大規模な高収益ビジネスではなくなるということです。
4.事業承継税制の需要は増えるが、担い手は減る可能性がある
株価を大きく下げにくくなれば、株価の高い非上場優良企業ほど、事業承継税制を活用する必要性が高まります。
しかし、事業承継税制には、
- 計画提出
- 認定手続
- 継続的な要件管理
- 取消リスクへの対応
などの負担があります。
一方で、従来の大型株価対策ほど、税務単体では報酬を高めにくくなります。
そのため、株価対策で収益を上げてきた大手プレーヤーは、富裕層向け相続税、M&A、高難度税務などへ移る可能性があります。
顧問税理士も、日常業務との両立や手続きの負担から、積極的に提案しにくくなることが想定されます。
つまり、
非上場優良企業の需要は高まる。 しかし、積極的な担い手は減る。
ここに市場の空白が生まれます。
5.事業承継税制を「利益商品」ではなく「入口商品」と捉える
事業承継税制を単体の税務商品として見れば、手間の割に収益性の低い仕事に見えます。
しかし、視点を変える必要があります。
事業承継税制は、非上場優良企業との関係を始める入口である。
税務単体の報酬ではなく、承継後の長期的な関係まで含めて考えれば、その価値は大きく変わります。
6.税務だから、先代経営者の深い課題に入れる
経営者は税務専門家に対して、
- 会社の決算
- 利益構造
- 資産、負債
- 株主構成
- 個人財産
- 家族構成
- 相続人
- 後継者候補
- 親族間の事情
まで開示します。
つまり、税務専門家は、会社の数字だけでなく、経営者本人と家族の財産まで把握できる立場です。
だからこそ、
- 誰に会社を残したいのか
- 後継者の何を不安視しているのか
- 経営権と財産権をどう分けるのか
- 家族内の公平性をどう保つのか
という、先代経営者の最も深い課題に入れます。
税務は、経営者人生への入口です。
7.事業承継を通じて、次の30年を担う後継者につながる
事業承継税制は、先代経営者だけでは完結しません。
実際に株式と経営を引き継ぐ後継者とも関わる必要があります。
そのため、
税務で先代経営者へ入る
↓
事業承継を通じて後継者へつながる
という流れが自然に生まれます。
後継者は単なる税務手続の関係者ではありません。
承継後、その会社を20年、30年と経営する次世代の経営者です。
事業承継支援とは、
先代経営者の最後の大きな課題を支援しながら、次の30年を担う経営者と出会う仕事
でもあります。
8.後継者が本当に困るのは、承継後の経営である
株式を移し、税務手続を完了しても、経営承継は終わりません。
後継者が本当に直面するのは、
- 経営理念・パーパスの承継
- 経営戦略・中期経営計画
- 人事制度・人材育成・組織改革
- DX・AI活用・業務改革
- 財務・資金調達・管理会計
- ガバナンス・内部統制
- 海外進出・海外子会社管理
- M&A・PMI
- 新規事業・第二創業
など、経営そのものです。
したがって、
税務があるから入口には立てる。 しかし、コンサルティングがなければ、その後30年の価値にはつながらない。
ということです。
9.税務単体の収益から、継続支援によるLTVへ変わる
税務だけであれば、株式移転や事業承継税制の手続が終わった段階で、支援は一区切りになります。
しかし、承継後の経営課題まで支援できれば、後継者と20年、30年にわたり関係を続けられます。
収益モデルは、
株価対策による短期的な高額報酬
から、
税務を入口とした継続的な経営支援によるLTVの最大化
へ変わります。
会計事務所でも実現できます。
違いは、税務を収益の終点として見るのか、長期的な経営支援の入口として見るのかです。
会計士にとっても、事業承継税務を入口に、
- 財務
- 企業価値
- ガバナンス
- 管理会計
- M&A
という専門性を、後継者支援へ広げる機会になります。
10.AI時代のキーワードは「税務×○○」
AIによって、記帳、申告書作成、定型的な税務相談は自動化が進みます。
そのため、税務単体では差別化しにくくなります。
しかし、税務が不要になるわけではありません。
税務には、会社と家族の情報を預かり、経営者の深い課題に入るという、AIでは代替しにくい役割があります。
だから、これから重要になるのは、
税務×○○
です。
例えば、
- 税務×経営戦略
- 税務×人事・組織
- 税務×DX・AI
- 税務×財務
- 税務×海外進出
- 税務×M&A
- 税務×事業承継
税務が入口となり、掛け合わせる専門性が企業価値を高めます。
特に非上場優良企業の支援では、
税務×コンサルティング
の相性が極めてよい。
税務は、経営者人生への入口。 事業承継は、次世代経営者との接点。 コンサルティングは、その後30年の企業価値を高める力。
改正は、税務専門家の仕事を奪うものではありません。
税務専門性を、経営全体の価値へ広げる機会です。
11.さいごに~「税務×コンサルティング」を実現する環境選び
ここで大切なのは、一人の力ですべての領域をカバーしようとしないことです。
「税務を入口に経営者と深い信頼関係を築き、高度なテーマは多様なプロフェッショナルと連携して解決する」。
こうしたチームでのアプローチこそが、これからの時代に大きな強みとなります。
だからこそ次の環境を選ぶ際は、「多様な専門家が揃い、チームで協力できる体制があるか」という視点が欠かせません。
そうした環境があれば、若手のうちから税務の枠を超えた、やりがいのある仕事に挑戦できます。
これまで培ってきた知識やスキルを、単なる「手続業務」で終わらせるのか、
それとも「企業の持続的な成長を支える力」に変えていくのか。
ご自身の可能性を最大限に広げられるフィールドを、ぜひ前向きに選んでみてください。



