増加する40歳以上の受験者

受験者数の減少は、税理士業界の発展のためにもあまり良いことではない。減少が一時的なものであれば、それほど気にすることもないが、現状のようにジワジワと受験者数が減っていけば、相対的に質の低下をなねきかねない。人口や働き手の減少、少子高齢化が進む中で、若い人の税理士離れは、実は税理士業界から見たら、ほっておけない重大問題だ。

この数字を見てほしい。今年の年齢層別の受験者数だ。

30歳以下は全受験者数の約3割しか占めていない。逆に41歳以上も3割を占めており、資格取得者の高齢化が進んでいる。

税理士試験に40歳以上がこれだけ挑戦する最大の理由は、試験が積み上げ方式で、最終的に5科目合格すればよいためだ。試験制度からしても、長年挑戦していれば資格が取得しやすいような制度設計になっているのだ。

 

税理士試験合格者も高齢化の一途だ。受験者数に比例し、259人で最も多いのが41歳以上。逆に最も少ないのが25歳以下で59人となっている。30歳以下の合格者占有率は約25%と、受験者数の約3割より低くなっている。

合格者の高齢化は、ここ数年の傾向で、10年前の2005年度税理士試験の年齢別合格者は、最も多いのが「31~35歳」の337人で、「26~30歳」が295人、「36~40歳」が181人、「41歳以上」が158人、「25歳以下」が84人の順となっている。

年齢階層別割合をみても、「31~35歳」が全体の31.9%、「26~30歳以上」が28.0%、「36~40歳」が17.2%、「41歳以上」が15.0%、「25歳以下」が7%となっており、26歳~35歳までの若手が約6割を占めている。