税理士試験に挑戦するようになってから、3回目にして、初の科目合格を果たした私。当初の計画では「3年くらいで合格して税理士になろう!」と考えていたので、予定より出遅れてしまいましたが、そこからの快進撃が始まりますかどうか・・・

挫折を乗り越え、3度目の受験で初合格をつかんだ私。そのころ、長男は幼稚園に通いはじめていたので、幼稚園の間に次男を無理やりお昼寝させて、その間の約2時間と、夜子どもたちが寝てから勉強していました。でも、しばらく夜中の授乳が続き、子どもと一緒に寝落ちしてしまうこともしばしばでした。
簿記論合格後、知り合いの税理士事務所で少し仕事をさせてもらっていましたが、本当に少しだけでしたから、私の場合、「育児と勉強の両立だった」といえます。現在、たくさんの「税理士を目指すママ」の知り合いがいますが、中には「育児と勉強と仕事」と何足ものわらじを履いて頑張っているママさんもいて、本当に感心します。
私にとっては、育児のストレスを勉強で、勉強のストレスを育児で解消している感じでした。家事育児を手抜きする大義名分もできましたし(笑)、子どもと一緒に過ごせない直前期などは申し訳ない気持ちはありましたが、「家族にこんなに協力してもらっているんだから、しっかり頑張らないと!」と思っていました。また、私がいないことで子どもたちがパパや祖父母と過ごす時間が増えて、それはそれでよかったと思います。
最初の2年こそ不合格が続きましたが、次男を出産した年の簿記論合格に続き、翌年には財務諸表論に合格することができました。
「次の科目は何を受験しようか」と考えたときに、年々育児も楽になってきて勉強時間が確保できそうだったので、まずはボリュームが少ない消費税法の勉強から始めました。そのころ、大学院に通うと税法2科目の試験が免除になる「学位による税理士試験免除」制度があることを知り、日本に1つだけ、通信制の税法免除の大学院・東亜大学の通信制大学院があることが分かりました。
「通信制だったら育児との両立もできるかもしれない。でも私、社会人じゃないけど『社会人入試』でいいのかな?でも新卒じゃないしなぁ」と、不安だらけ。その上、過去問を取り寄せてもちんぷんかんぷんでしたが、ダメ元で受験することにしました。
実際、同大学院の問題は、そのころの私にとっては聞いたことのない単語ばかりが並んでいましたが、問題文にもあるように「知識を問う問題ではなく、読解力、文章力を問う問題」だったので、2時間しっかりと問題文を読み込み自分の考えを理論立てて書いたところ、倍率6倍の中、合格することができたのでした。知識を問われていたら無理でしたね。
それからの日々は、昼は家事育児、子どもたちが寝ている時間に消費税法の勉強と、大学院のweb講義受講、毎月のレポート提出前は近所の大学の図書館で文献をコピーするなど忙しくも充実した日々でした。大学院1年時で消費税法を受験したものの不合格。翌年(2年時)、合格しました。
2年時には、国税審議会に通るような論文を書き上げるため、何度も先生にメールをしてご指示をいただいていました。入学前は、通信制なので友人はそんなにできないかと思っていましたが、年に2回の泊まり込みのスクーリングでは夜遅くまで仲間たちと飲んだり話したり。今でもとても仲の良い親友にも出会い、先生方とも強いつながりができました。
卒業時には消費税法に合格していたので、卒業後すぐに免除申請をすると、約4カ月後に”免除通知書”が届きました。その後、税理士登録の要件である「実務経験2年」を満たしたあと、晴れて税理士登録をしました。
税理士を目指した時27歳だった私は、37歳になっていました。10年かかりましたが、1科目ずつ合格科目が増え、論文を書き、仕事も少しずつですがステップアップしていたので、辛い10年ではなく、希望に溢れた期間でした。
初めて「税理士」という文字が入った名刺を見たときには、嬉しい気持ちより「どうしよう!本当に税理士になっちゃった…!!」とドキドキな気持ちの方が大きかったです。
ずっとなりたかった税理士。なれたらなんて幸せだろうと思っていました。でももちろん、税理士登録はゴールじゃない、スタートなのです。