前回までの全3回に渡って、税理士を目指し始めてから税理士登録するまでの10年間を駆け足でお話しました。この10年間、常にあるテーマは「育児との両立」。そこでここからは全3回シリーズで、①時間の使い方、②家族の協力、③モチベーションの維持についてお話していきたいと思います。

時間の使い方・家族の協力・モチベーションの維持。どれも育児と勉強(仕事)の両立に不可欠です。これらは、育児をしていない人にとっても大切なことです。

今回は、①の「時間の使い方」について、私の「時間活用の三カ条」をお伝えします。

「時間活用の三カ条」とは

一、計画を立てること
二、家事の時間は最後に
三、娯楽の時間を絞る


まず「一、計画を立てること」

計画を立てるのと立てないのとでは、時間の濃密さが全く違います。計画を立て、それを手帳に記入し、とにかくこなしていく。それが基本です。

なんとなく「今日やれることをできる限り頑張ろう」だと、気づけば机の片づけをしてたりスマホを見ていた…なんてことになりかねません。

ここで「必ず計画通りに終わる」とっておきの技をお教えしましょう。といってもこれ、私が考えたわけではなくて、ずっと前にどこかの合格体験記で読んだものをアレンジしたものなのですが。

まず、いつまでに何をするべきかを書き出し、それを日数で割ります。そうすると1日にやるべきことが決まるのでそれを手帳に書き込みます。「土日は多めに」「●曜日は習い事があるから」など考慮しますが、あまり細かく考えず、とにかく手帳にやるべきことを書きこむのです。

たとえば100ページのテキストを8/1~25の25日間で終わらせる場合、1日4ページなので、

8月1日に1~4ページ、
2日に5~8ページ、
3日に9~12ページ、
……

と、手帳に書き込みます。あとは手帳に書いてある日に、書いてあることをやっていきます。8月1日、1~4ページをやります。やったら二重線で消します。

翌日の2日に「5~8ページをやろうと思ったけど、やれなかった…」としても(やれない日はどうしてもあります)、3日は、3日にやるべき9~12ページをやります。これも完了したら二重線で消します。ここで「昨日やれなかったから5ページからやろう」と思うと、どんどん計画がずれていき、計画倒れ…。問題集の最初の方ばかりやって結局は途中で挫折した経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

こうして毎日続けていくと、穴だらけかもしれないけど、8月25日には100ページまで必ず終わります。抜かしてしまったところは、余力のある日にやるか、2巡目、3巡目でつぶしていけばいいのです。

次に、「二、家事の時間は最後に」

私は子どもたちを寝かせたらまず勉強をしました。家事は後回しです。そして勉強していて眠くてどうしようもなくなったときに、溜まっていた家事をします。食器を洗う、アイロンをかける、洗濯ものをたたむ、掃除をする…など、どれだけ家事を溜めてるんだって話ですが……。すると、あら不思議!目が覚めます。ずっと同じ姿勢でいるとものすごく眠くても、体を動かすことでスッキリ目が覚めるんですよね。そうしたらまた勉強に戻ればいいのです。ただしこれは、どんなに勉強をしても眠くならないという優秀な人には、家事がどんどん溜まっていくというシステムです(笑)。

最後に「三、娯楽の時間を絞る」

長い試験期間ですから、「テレビは一切見ない」「遊びにも一切行かない」というのは無理な話(もちろんできたらいいけど)。でも、なんとなくダラダラと遊んではいけません。メリハリが大事。

たとえば私は、テレビは「見たいとき見る」のではなく、「決めたものだけを録画して見る」ようにしていました。テレビって意外にCMの時間が結構あるんです。録画して、CMを飛ばし、テレビの機能によってはすこし速くして再生するのもいいかもしれません。60分くらいの番組なら40分くらいで見れちゃいます。

長い受験期間中、いろいろ工夫したことがあって、これは一部ですが、私がお伝えしたいことは「子育て中でも時間は作れる!」ということです。やりたいと思ったときに、「時間がない」「子どもがまだ小さい」「お金がかかる」など、やれない言い訳を考えたらいくつでも出てくるけど、あのとき、それでも「えいっ」と思って挑戦したからこそ、今の私があります。「時間があったらやりたいこと」は「時間を作って」やりましょう。

次回は②「家族の協力」について書きたいと思います。では、また!