―USCPAの資格をお持ちだと伺いましたが、それも事業を運営していく上で役立ちましたか?

端羽 資格を取ってからも会計士として活動はしていませんでしたから、いざ起業してみると専門家の方に聞くことが多いです。とはいえ、会計知識があれば、お金の流れが分かるようになりますし、運転資金の感覚や資金調達をする際も役に立ちました。「これはプロに聞くべきだ」というアンテナも立てやすかったです。

―1カ月あたり、どのくらいの相談が寄せられているのでしょうか?

端羽 相談案件としては毎月千件以上で、順調に増えてきています。実は、国内だけではなく、海外からも日本のことを知りたいというニーズが寄せられています。そこで、クロスボーダーの案件に対応する専門のチーム「VQ Global」をこの4月に立ち上げました。日本でも、新規市場を海外市場に据える企業や個人は多いです。逆に、海外からは「日本はどうなっているのか情報が見えない」といった声を聞きます。

―子育てをしながら起業し、働き続けることは非常にタフなことだったのではないかと思います。

端羽 起業したからこそ、子どもとの時間を自由に持つことができたという側面もあります。大企業だとどうしても四角四面にルールを運用せざるを得ないですが、私たちのような中小企業なら、たとえば「今日は学校が早く終わりました」というときに「オフィスに連れてきていいよ」と柔軟に対応できます。娘が受験のときは、娘が塾にいっている間に私は塾の隣のカフェで仕事をしながら待っていることもありました。娘の横で仕事をしながら、教えながら、というのを繰り返していると娘は「ママが勉強見てくれる」と喜んでくれるし、私は週末に強制的に仕事をする時間がつくれて一石二鳥でした。ですから、個人的には仕事と子育ての両立は難しくないと思っています。体が丈夫で楽天的な私の性格も影響していたかもしれません。

―世間では、ワークライフバランスを求める働き方がトレンドですね。

端羽 私はワークライフバランスを取っている方だと思っています。よく「仕事好きでがんばるね」と言われますが、トータルで2年ほど専業主婦をしています。子どもや旦那さんと一緒にいたいときや家族の介護をしなきゃいけないときなどは、仕事を離れてもいいと思います。それが終わった後に、また仕事を始められる自分であるために、頑張れるときは頑張ったほうがいい。将来的に、ワークライフバランスをとれる働き方を選べる自分になることが大切なのだと思います。個人的には90歳になっても稼げる自分でありたいです。

―BIPAに参画されてどのようなシナジーを期待していますか?今後の展望と合わせて教えてください。

端羽 中小企業でも生産性を上げていくためにIT化が進んでいます。私たちのようなITツールを提供する企業がBIPAに参画することで、それぞれが経験した事例や選択肢などお互いの情報を交換しあい、中小企業をあらゆる面でサポートしていける団体になりたいと思っています。すべての課題を一つの企業が解決するのではなく、最適なものを選んでもらう。そのために、さまざまな情報や技術、サービスがBIPAに集まっているのです。中小企業のみなさまがベストな解決策を見つけられる窓口になれたらいいですね。

「ビザスク」に集まってくる何万人もの知見と課題をマッチングする仕組みは、まさにビッグデータの世界です。文字になっていない暗黙知にこそデータ化する価値があります。最先端で、知見とそれを必要とする「ヒト」のマッチングを行っているのが「ビザスク」です。情報の価値は、文脈ごとに変わってくると思います。「ビザスク」に蓄積したビッグデータを自分なりに解釈したり活用していくとしたら、最後の接点は「ヒト」である可能性が高いのです。効率化できるところまでは技術的な解決策で効率化し、本当に価値のあるところで「ヒト」と「ヒト」が出会えるプラットフォームになっていきたいと思っています。


 

株式会社ビザスク
代表取締役CEO 端羽 英子

東京大学経済学部卒業後、ゴールドマン・サックス証券投資銀行部門にて企業ファイナンス、日本ロレアルにて化粧品ブランドのヘレナルビンスタインの予算立案・管理を経験し、マサチューセッツ工科大学にてMBAを取得。ユニゾン・キャピタルにてバイアウト投資に5年間携わった後、ビザスクを立ち上げる。米国公認会計士試験合格。

■株式会社ビザスク
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