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【BIPA】スポットコンサルで世界中の知見をつなぐ~ビザスク 端羽英子 代表取締役CEO~

新規事業や業務改善などに個人の知見を生かす目的から、個人と企業のマッチングサービスを提供している株式会社ビザスク(東京・目黒区, 代表取締役CEO=端羽英子氏以下、「ビザスク」)。仕事を進めていくうえで出てくる課題解決や意思決定の際のヒントを与え、組織・世代・地域の壁を超えて世界中の知見のプラットフォームを目指す同社の戦略と展望について、端羽代表取締役に聞いた。

株式会社ビザスク 代表取締役CEO 端羽 英子  東京大学経済学部卒業後、ゴールドマン・サックス証券投資銀行部門にて企業ファイナンス、日本ロレアルにて化粧品ブランドのヘレナルビンスタインの予算立案・管理を経験し、マサチューセッツ工科大学にてMBAを取得。ユニゾン・キャピタルにてバイアウト投資に5年間携わった後、ビザスクを立ち上げる。米国公認会計士試験合格。

―「ビザスク」はどのようなサービスですか?

端羽 「ビザスク」は約4万人の知見を1時間単位でビジネスに活用できるスポットコンサルティングサービスです。このアイデアは、私自身の経験から生まれました。元々、金融業界にいたのですが、入社1年目に子どもを授かり、「育児と仕事を両立して生涯現役で働き続けられるキャリアを作る」というのがライフテーマになりました。その後離婚を経験し、シングルマザーとして仕事と子育てに邁進していたのですが、子どもの受験準備が始まり、34歳のときに独立を考えました。でも、いざ独立しようとしても、なかなかいいビジネスモデルが思いつかなくて。「どんなかたちなら仕事ができるのか」と模索していくなかで、「自分の仕事の強みを生かして、モノを売るサービスを作ろう」と思いました。たとえば、「10年間金融業に携わってきた私が選ぶ電卓・おすすめ本」など、モノをおすすめするECのプラットフォームです。そのときに、「この人に話を聞いてみたら?」と友人に紹介された人がいました。その人は実際にECのプラットフォームを立ち上げた方で、1時間にわたってコテンパンにダメ出しをされて、その1時間のお話が本当に勉強になりました。そのときに「この1時間のためなら喜んでお金を払いたい。モノの販売ではなくて、このためになる1時間をマッチングするサービスを作ろう」と思ったことが「ビザスク」の始まりです。

―子育て中に定職を離れて起業することは、勇気がいることだったと思います。

端羽 元々、一度は起業してみたいという気持ちがあったので、年齢が上がる前の今がチャンスかもしれないと思っていました。新しいことにチャレンジできる人材は多くいません。「このビジネスが万が一うまくいかなかったとしても新規事業に挑戦した自分の人材価値は上がるに違いない」と感じていました。成功しても失敗しても、転ばないと思っていたんです。

―「ビザスク」の活用方法を教えてください。

端羽 ビジネスをしていると、新規事業の立ち上げや採用活動・働き方改革をどう進めていくかなど、さまざまな課題が出てくると思います。そんなときに「ビザスク」を活用していただくと、同じような課題を経験した人がアドバイザーとなり課題解決のヒントを与えてくれます。士業の先生方も顧問先の企業からさまざまな相談を受けていると思いますが、「これは専門外だな」というシーンで「ビザスク」を活用していただくと、クライアントに対して、一歩踏み込んだアドバイスができると思います。

―「ビザスク」には、さまざまな「知識の引き出し」があって、必要に応じてユーザーにそれらを引き出してもらうというイメージですね。

端羽 まさにその通りです。お客様には「私たち全員があなたのアドバイザリーボードです」とお伝えしています。必要な引き出しを引いていただき、必要な知見をシェアしていただけます。弊社には、ウェブ上でマッチングする個人対個人のC to Cのプラットフォーム「ビザスク」と、法人契約を結ばせていただきフルサポートでマッチングする「VQ」という2つのサービスがあります。ただ、C to Cのマッチングといっても、個人対企業のマッチングがほとんどです。

―実際にユーザー同士が会ってやりとりをすることもありますか?

端羽 直接会って話をする方もいますし、電話やビデオ会議をする方もいて、スポットコンサルティングの受け方はさまざまです。当社では、「無料のメッセージのやりとり」「クレジットカード決済」「日時設定」「アドバイザーがコンサルティングの完了報告をする」ところまでをウェブ上で行えるようサポートしています。まずは、無料でメッセージのやりとりをしていただきます。その上で、「この人にお願いしたい」となったタイミングで、ウェブ上でクレジットカード決済していただき、日程調整を行います。法人の場合は、電話やメールで私たちがサポートすることもあります。

取り引きをスタートする前に、事前のコミュニケーションがあることで、不安感やマッチングの不一致が少なくなるよう努めています。フィーが発生する前に無料でやりとりできることは、お客様に使っていただく上での安心感につながっていると思います。

―登録されているアドバイザーの方はどのような業種が多いのでしょうか。

端羽 自社リサーチによると、登録者の業界・業種は幅広く、製造業の方やヘルスケア系の方、エンジニアなど、多種多様な業種の方が登録されています。スタッフの中にも「効果的な資料の作り方」「サイトの作り方」など、それぞれの強みを活かしてアドバイスしているものもいます。私自身も「資金調達の仕方を教えてください」「ファンドへの転職相談に乗ってください」などの質問を受けることがあります。これは、「自分の経験のこんなところにニーズがあったのか」と新たな発見にもなりますね。地域的に見ていくと、やはり首都圏の方の登録が多いですが、最近では、西日本にも広がってきていると感じています。元々、「組織」「地域」「世代」の3つの壁を越えて知見をマッチングしたいという思いがあり、最近では、「鳥取銀行」「筑波銀行」新潟の「第四銀行」との提携をプレスリリースさせていただきました。今後もパートナーを増やしながら、地方で知見を必要としている方のハブになっていきたいと思っています。

―アドバイザーには、会計士や税理士などの専門家も登録されているのでしょうか。

端羽 「ビザスク」では、いわゆる専門家ではない一般の会社員の方などにアドバイザー登録をしていただいております。士業といわれる専門家の方には、専門以外のことで必要な知識を収集するツールとして「ビザスク」を使っていただき、顧問先の成功を一緒に作っていくパートナーになっていただけたらと思っています。士業の業界も競争が激しくなるなかで、付加価値の高いサービスの提供はどの業界でも喫緊の課題です。顧問先の「付加価値づくり」のシーンで、先生方と「ビザスク」はコラボができるのではないかと思っています。

ほかにも、当社は地方銀行5行(第四銀行、筑波銀行、鳥取銀行、広島銀行、福井銀行)や地方行政との提携を通じた地方創生にも取り組んでおり、地方でも「ビザスク」を展開しようとしています。さらに、昨年10月に株式会社NTTデータ(東京・江東区,代表締役社長=岩本敏男氏、以下「NTTデータ」)が立ち上げた「BeSTA FinTech Lab」(以下、Lab)に運営パートナーとして参画し、地方銀行のオープン・イノベーションをより一層推進していきます。これにより、Labに参加する地方銀行はビザスクが有する約4万人の知見データベースと事業創造支援のノウハウを活用することが可能になります。銀行の知見と他業態の知見を掛け合わせてサービスを拡張していただきたいですね。

―御社は2015年に約2.6億円もの資金調達をしていますね。

端羽 目指している世界があって、応援してくださる人やチームに入ってくれる人がいる。だから「いいと思ったものは最速で実現しようよ」という感覚です。

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