1、 小規模宅地等の特例の適用状況
小規模宅地等の評価減の特例は、被相続人等の商売の敷地(特定事業用宅地等)や自宅の敷地(特
定居住用宅地等)、貸家の敷地(貸付事業用宅地等)を親族が相続した場合に、一定の要件のもと、その土地の課税価額の一定割合が減額される、税制上の特典である。詳細(国税庁ホームページ参照:https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4124.htm)はここでは省くが、その適用状況が情報公開により明らかになった。特定居住用宅地等として80%の評価減を受けたケース、貸付事業用宅地等として50%の評価減を受けたケースで税額の出たケースの統計は次の通り。
①特定居住用宅地等(特例を適用しても税額が出たケース)
② 貸付事業尾用宅地等(特例を適用しても税額が出たケース)
特定居住用宅地等による特例の適用は増税により8割増し、貸付事業用宅地等による特例の適用は5割増しとなっている。平成27年分からは税額の出なかったケースの別途カウントされるようになり、特定居住用の適用件数は1万7831件、貸付事業用宅地等による特例適用件数は4225件だった。
2、 税理士の関与
情報公開により明らかになった相続税の期限内当初申告に関与した税理士の状況は次の通り。
相続税の課税対象となった被相続人の人数10万3043人に比べ多いことがわかる。小規模宅地等の特例など、各種の特例等により税額が出なかったケースがあるためで、その人数はおよそ3万人とみられる。税理士の活躍する場面は相続税の分野で確実に増えたといえそうだ。