「病気」と「正常」の境界──「日常生活への支障」で考えよう

非定型うつ病の症状、みなさんもひとつくらいは当てはまる点があったのではないでしょうか。「病の殿堂」を名乗るわたしなど、「え、これ全部当てはまるんですけど……」となり、ドキドキしてしまいます。でも、当てはまるから即病院へ行くべきなのかといえば、答えはNOです。

体の病気は、「血液検査で基準値を超えたら病気です」という明確な診断基準があります。しかし、心の病気には心理テストのように、点数化するものもありますが、それが絶対ではありません。その人の生活環境や生育環境、現在の状況など、多面的に判断する必要があります。

ひとつの指針となるのが「日常生活に支障が出ているかどうか」。鉛様麻痺がひどく、布団から起き上がれず、会社に行けないのであれば、それは日常生活に支障が出ていると言えます。体が重いけれど、会社には行ける。その場合にはグレーゾーンであり、完全に病気とは言えません。

わたしも夜になるとなんだか無性に悲しくなることがあります。急に食欲が高まることもあります。でも、それが毎日続くわけではなく、だいたい寝て起きたらケロッとしている。これは病気ではない……らしい。これまで何人もの精神科の先生に取材をし「先生、わたしもこの病気かもしれません」といって現状を伝えると、「でも普通に生活できているでしょ? それなら病気ではないよ」と百発百中で言われました。ホッとしたというか、なんというか……。

自己判断はよくありませんが、自分でも日常生活がうまく営めなくなっている感じがしたり、周囲から指摘されたりして心配であれば、いちど専門家に現状をきちんと話してみましょう。

非定型うつ病の治療──セルフケアでも改善する

非定型うつ病の治療は、薬物療法と心理療法、セルフケアを併用するのが一般的です。薬物療法では、従来型のうつ病の治療に用いられるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や、不安障害の治療に用いる抗不安薬を処方されることが多いです。ただし、薬物療法だけでの効果はいまいちで、併せて考え方の歪みを治すための「認知行動療法」などの心理療法をおこなっていく必要があります。

薬物療法、心理療法は病院でおこなう治療ですが、日々の生活の中でセルフケアをしていくことも大切です。生活リズムを整え、適度な運動をしたり、気分の波が乱れる前に、瞑想や呼吸法で心を落ち着ける習慣をつけていくことで改善することもあります。セルフケアについては、また別の記事でご紹介します。

従来型のうつ病は、とにかく気持ちの落ち込みがひどいときには休養が最優先されますが、非定型うつ病では、ある程度動いたり、「少し頑張る」ことで症状が改善するのが最大のポイントといえるでしょう。


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