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女性記者のひとりごと vol.32 三権分立

大統領令にダメ出しするなんて、連邦裁判所ってスゴい!
アメリカは三権分立がしっかり機能しているのね。

トランプ米大統領と連邦裁判所のやりとりが興味深い。

昨年1月、トランプ米大統領はイスラム圏7カ国などからの移民や難民の入国を制限する大統領令に署名。
すると西部ワシントン州などから違憲訴訟が提起され、2月には連邦裁判所が差し止め命令を出した。
これを受けてトランプ氏は3月、移民や難民の入国を制限する新しい大統領令に署名。
今度は差し止め回避を狙ってイラクを対象から除くなど制限を緩和する内容だった。
しかし前回同様、発効直前にハワイ州の連邦地裁が差し止めを決定。

更に今年1月にも、カリフォルニア州サンフランシスコの連邦地裁が、
トランプ米政権が撤廃を発表した、未成年として入国した不法移民の強制送還を
猶予する救済制度について、撤廃の差し止めを命じている。

大統領令にダメ出しするなんて、連邦裁判所ってスゴい!
アメリカは三権分立がしっかり機能しているのね。

連邦裁判所の毅然とした対応を見ていて、なぜか日本の国税不服審判所を思い出した。
いささか無理矢理な比較ではあるが、それでも国税不服審判所は行政の中の裁判所だ。
国の判断に市民が反発し、司法(第三者機関)に訴える、という構図は同じ。
職員の多くが税務署からの出向者である国税不服審判所が果たして
第三者機関といえるのかどうかは甚だ疑問ではあるが、一応、
制度上は「第三者機関」という位置づけになっている。

2〜3年したら戻っていく税務署相手に、審判官がダメだしをするのは勇気のいる行為だろう。
それでも、然るべき場面では毅然と対応し、
それがキチンと評価されるような人事制度であってほしいと思う。
行政の中の「三権分立」が正しく機能すれば、納税者の不公平感も緩和され、
審判官も心置きなく建設的な審理ができるはず。
審判所の数少ない「全部取消し事案」を見るたびに、ガンバレ!と思ってしまう。

著者: 川瀬かおり

記者/税金ライター

社会部を根城とする税金オタクの女性記者。財務省・国税庁を中心に取材活動を展開すること20余年。事件モノを得意とし、裁判所にも日参する。税金ネタをこよなく愛する一方で、税制の隙間や矛盾を見つけては叩きまくるサディスティックな一面も。趣味は夜討ち朝駆けとクラブ通い。

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