【2部 海外も視野に入れたM&Aを】

福島和宏代表執行役社長

中小企業のM&Aマーケットに参入した理由

――そもそも、大手企業をメインターゲットにしてきた御社はなぜ、中小企業のM&Aマーケットに参入しようと考えたのでしょうか?

福島氏:弊社の想いは、「日本企業や日本社会が抱える課題に対してM&Aのプロフェッショナルとして貢献したい」ということ。経営者の高齢化や後継者不足によって事業承継の問題に直面する企業が増え、中小企業におけるM&Aのニーズが増え続けることが予想されるなかで、弊社のM&Aのノウハウを活かせば社会貢献ができるはずだと考え、「M&Aプラス」を新たに立ち上げました。

特に中小企業のM&Aの課題は、都心部以外の地域でM&Aを専門とする経験豊富なファイナンシャルアドバイザー(FA)が不足している点にあります。「M&Aプラス」の取り組みは、この課題解決にもつながると考えています。弊社から独立して地方の中小企業をサポートしている会計人も全国に大勢いるので、彼らに対してFAとして社会貢献できるM&Aのプラットフォームを提供することは、社会的意義も大きいのではないかと感じています。

――実際、中小企業のM&Aの現状についてはどのように感じておられますか。

福島氏:最近は中小企業の廃業も増えていますが、それには引き継ぎ先を見つけることができないからという側面もあります。しかし仮にM&Aを通じて最適な譲渡先が見つかっていたら、その企業は廃業せずに済んだかもしれない。それだけに、最適な相手を探すことで円滑な事業承継をサポートさせていただきたいとの想いは強いですね。中小企業のM&Aニーズの高まりを受け、中小企業のM&AのマーケットはM&A仲介も含めて急速に拡大しています。

なお、弊社が中小企業のM&A仲介サービスを行わない理由は、売り手・買い手のいずれかに不利益が生じやすく、トラブルにつながりやすいからです。「M&Aプラス」を中小企業におけるM&Aのプラットフォームとして展開することで、信頼できる中立的なM&Aが増えていくことを目指しています。

「M&Aプラス」の今後の展望

――6月からは新社長に就任されるそうですが、最後に今後の意気込みと「M&Aプラス」の展望についてお聞かせください。

福島氏:やはり社会が抱える問題と真摯に向き合い、マクロ的な視点で社会貢献がしたいとの想いがあるので、「M&Aプラス」を賑わいのあるプラットフォームに成長させていきたいと考えています。

また、近隣諸国が目覚ましい経済発展を遂げてグローバル化が進む昨今、M&Aについても国内企業のみならず海外にも目を向けていく必要があると思います。我々のグループは世界各国に拠点があるので、グループ内で連携を図る形で展開したいとも考えているところです。

先日、海外の拠点から「日本企業を買いたいというオファーがある」という連絡がありました。どんなニーズかと問うと、「ハイテクはいらない、アナログな企業を求めている」との回答が。少し意外に感じましたが、要するに国内だけでなく海外を含めると、M&Aの幅が格段に拡がるというわけです。いずれにせよ、売り手企業・買い手企業、FAの皆さまが幸せになれるよう、M&Aのプロフェッショナルとして社会に貢献できれば幸いです。

▼デロイト トーマツ FAアカデミー・東京の詳細は以下より。
M&Aプロフェッショナル養成講座~案件組成からM&A取引実行までを疑似体験~


福島 和宏/Kazuhiro Fukushima
代表執行役社長


 

1990年監査法人トーマツ(現・有限責任監査法人トーマツ)入社、主として金融機関の監査に従事、その後5年間デロイト トウシュ ニューヨーク事務所に出向、日系企業の会計税務コンサルティングに携わる。2000年より国内およびクロスボーダーM&Aに関するアドバイザリー業務、デューデリジェンス、企業評価・無形資産評価業務に従事。

2018年6月より同社代表執行役社長に就任。


前田 善宏/Yoshihiro Maeda
CSO 執行役員 パートナー


 

外資系コンサルティング会社、財務アドバイザリー会社を経て、現在のデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社に入社。電力、運輸、製造業をはじめとして多業種において、戦略、財務、M&A、再編等のアドバイザリー業務に従事。

M&A・再編においては、事業性調査、シミュレーション、事業デューディリジェンス、オペレーショナルデューディリジェンス、持株会社化、PMI(企業統合・分割支援)を中心に、幅広く業務に従事。

――――――――――
■デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
https://www2.deloitte.com/jp/ja.html
■M&Aプラス
https://ma-plus.com/

KaikeiZineは会計プロフェッショナルの活躍を応援するキャリアマガジンです。インタビューや取材を通じての情報発信をご希望の方はお問合せください。
取材・掲載は無料です。
お問合せはこちら