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事業承継の幅を大きく拡げるM&Aのプラットフォームを新展開

4大プロフェッショナルファームの一角を担い、M&Aの分野において豊富な実績を誇る、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社は、中立性を重視した新しい形態のM&Aサービス「M&Aプラス」を開始。1部ではその概要を前田善宏氏に、2部ではその想いについて福島和宏氏に話を聞いた。

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー 福島和宏代表執行役社長

【1部 会計人が活躍できる場に】


 

――まずは、「M&Aプラス」の具体的なサービス内容についてお聞かせください。

前田氏:「M&Aプラス」は、「企業を売却したい経営者」と「企業買収を考えている企業」をWeb上でマッチングすることでM&Aをサポートする、中小企業向けの新サービスです。既存の仲介サービスとは異なり、「売り手」と「買い手」の双方にファイナンシャルアドバイザー(以下、FA)を起用するスタイルを採用している点が大きな特徴で、これにより公正な取引をスムーズに実現しています。

FAを務めるのは、地域の金融機関や証券会社、信用金庫、会計事務所、税理士事務所、弁護士事務所など。Web上では企業とFAをつないだり、売り手側のFAと買い手側のFAをつないだりすることが可能です。

――どんなところに活用するメリットがあるのでしょうか。

前田 善宏 CSO 執行役員 パートナー

前田氏:まず「M&Aプラス」は中立なプラットフォームであることを基本理念として徹底しているため、売り手・買い手の双方にとって最適で公正なM&Aが実現できる点にあります。また、一から候補先を探すのではなく、既に会員登録されている全国の案件情報をもとにするので選択肢が拡がり、スピーディーなマッチングにつながるのもメリットです。

また、オンライン上でM&Aの進捗管理ができるため、売り手・買い手企業ともに最新の進捗状況を逐一把握することができ、マッチング後も担当FAがM&Aのプロセスを適切に管理できる点も特徴と言えます。

――M&Aを視野に入れている企業はもちろんのこと、FAを担う公認会計士や税理士にとってもメリットは大きそうですね。

前田氏:おっしゃるとおり、中小企業の事業承継が社会問題になっているなかで、中小企業を顧問先に持つ会計事務所においては、「M&Aプラス」をうまく活用することでM&A のFA業務を自社サービスの一つとして組み込むことも可能です。

特にフェアなM&Aを進めるにあたり、数字的な要素が占める割合は非常に大きい。公認会計士や税理士はそうしたコアスキルをベースにできるため、あとは現実的な悩み相談や相手の気持ちに寄り添うといったソフト面のスキルがあれば、FAとして大きく活躍していただけると思います。

なお、売却案件や買い手などのM&A情報はこれまで仲介業者ごとにバラバラにしか持っていませんでしたが、「M&Aプラス」というM&Aのプラットフォームによって、誰でもその情報に接する機会が得られるようになりました。これはすなわち、「M&Aプラス」を用いれば個人の会計事務所でも大手と同じ土俵でビジネスできるということ。ぜひ多くの方々にご活用いただき、社会が抱える事業承継の問題に貢献できればと思っています。

――実際に御社では、「M&Aプラス」を活用するFAや会計人に対してM&Aの実務研修を開催されています。どのような内容になりますか。

前田氏:我々が取り組んでいるのは、案件組成からM&A取引実行までを疑似体験できる、「DTFAアカデミー」というM&Aプロフェッショナル養成講座です。我々が培ってきたM&A戦略立案、ソーシング、交渉術、取引の実行・管理、M&A実行後のプランニングといった、M&Aプロセス全体におけるアドバイザリー業務のノウハウを提供いたします。

対象はM&A業務の経験が浅い、あるいは未経験の公認会計士、税理士、中小企業診断士、弁護士といった士業の方々や、企業のM&A関連の担当者。毎回40名前後の参加があり、「こんなに詳解してくれるところはない」といった参加者の声も多数いただいております。

ちなみに当講座を受講していただくと、「デロイト トーマツ FA アカデミー M&Aプロフェッショナル養成講座」の修了証が付与され、「M&Aプラス」入会時に特典を受けることができます。

――そうした取り組みを通じてFAとして活躍できる人材を育成されているのですね。では、「M&Aプラス」のシステムや利用料などについて教えてください。

前田氏:大きく分けて「売り手・買い手会員」と「FA会員」の2つ。「売り手・買い手会員」の利用料は無料で、Web上で担当とするFA会員を探すことが可能です。さらにFA会員から案件のオファーが来ることも期待できます。

「FA会員」は会員種別によって料金体系が異なるのですが、「M&Aプラス」上で案件やマッチング相手の検討や案件資料の登録、各種承認依頼などをそれぞれ行なうことができ、M&Aの開始から終了後までを管理することが可能です。なお、「M&Aプラス」を通じたM&Aの実績もFA会員の情報として登録される仕組みです。

――最後に、今後の展開についてお聞かせください。

前田氏:「M&Aプラス」に付随するサービスを充実させていこうと考えています。一つは経営者派遣。事業承継で経営者が代替わりする際、二代目となることを予定しているお子さまが別会社にいてすぐには辞められない、あるいは事業を継承する人材を探したいなど、時間的な問題で「一時的に経営をしてほしい」といったニーズがあるので、そのサービスを中小企業向けに確立させたいと思っています。

また企業売買をするにあたり、その会社の市場価値がおよそどれくらいなのかの目途を自動で算出できるツールも開発中です。

さらに今後は、事業承継や企業経営において生じる悩みを解決できるような総合支援サービスも追加していく予定です。できるだけオープンにして多くの方々に使っていただき、将来的にはM&Aにかかわる総合的なインフラに育てていければと思っています。

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