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【コラム】夫婦別姓問題 確定申告はどうする!?

最高裁大法廷は2015年12月16日、夫婦別姓を認めない民法の規定について、憲法に違反しないという判断を初めて示した。判決では、通称使用についても踏み込んだ意見を示しているが、通称使用について、お役所など、実務の現場ではどう対応しているのだろうか。2月16日からは、確定申告がスタートするが、源泉徴収票は旧姓なんてケースもありうる。通称使用している女性フリーライターに、税務申告などで不便はないのか、ちょっと目線を変えて原稿を書いてもらった。

夫婦別姓の是非を問う注目の裁判は、大方の予想通りの結果となった。
最高裁大法廷は、「夫婦は同じ姓を名乗る」とする民法の規定を「合憲」と判断。
判決文には「夫婦の姓をどちらにするかは夫婦間の協議に委ねており、男女間に形式的な不平等は存在しない」
「社会の集団単位である家族の呼称を一つに定めることは合理的」などの理由が並ぶ。
改姓によるアイデンティティーの喪失感等については「通称使用が広まることで一定程度は不利益が緩和される」とした。

かくいう私も通称使用者だ。旧姓に執着しているというよりは、仕事上の利便を考慮してのこと。
仕事で名刺交換した人すべてに「姓が変わりました」と連絡するのは面倒だし、何よりせっかく覚えてもらった名前を変えるのは、記者としてはデメリットでしかない。
だから税金や社会保険等の公的関係やクレジットカードは戸籍名に変更したが、仕事上の名前は旧姓のまま。生活上の不便は覚悟の上だ。

通称使用を実践してみて感じたことは、税務署は意外と柔軟だということ。
私の場合、原稿料は通称(旧姓)名義の銀行口座に振り込まれ、源泉徴収票や支払調書も通称で作成される。
でも確定申告は戸籍名で行うため、支払調書など添付書類の名義と合わない。
ダメ元でそのまま確定申告してみたら、、、全く問題なかった。
ただ還付金の振込口座は申告書の名義と同じでないとダメとのこと。
原稿料と還付金の振込口座が分かれてしまうのは不便だけど、仕事上の名前を変えることの不便の方が大きいため甘んじて受け入れている。

選択的夫婦別姓について最高裁判決では
「合理的でないと断ずるものではなく国会で議論すべき」と言及している。
将来もし夫婦別姓が認められたら、自分はどうするだろう。
各種名義変更をもう一度するのはそれはそれで面倒だけど、体験ルポを書くためにあえて乗っかるかもしれない。
「女性記者が実践!夫婦別姓」という記事を目にすることがあったら、それは私が書いた記事だ。

 

著者: 河添美羽

税金ライター/熱狂的トラファン

元税金専門紙編集長、現在は税金ライターとして活動。財務省・国税庁にネットワークを持ち、税金問題に独自の目線で切り込む一方で、経済・生活ニュースなど幅広く執筆する。プロ野球は、阪神タイガーズをこよなく愛し、シリーズが始まれば、ほぼ阪神応援に駆け回る。

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