離れてみて初めて見えてくるものって結構ある。人事異動の季節になると役人との「間合い」の取り方について考えることが多い。

今年もまた国税職員の人事異動の季節がやって来た。
7月10日の異動日を境に、部署の約半分の顔ぶれが変わる。

広報担当だった職員が調査部や課税部に異動になると
記者との距離感は微妙になる。

夜な夜な「意見交換会」をして懇親を深めていた相手が突然いなくなる
というのはそれだけでも十分寂しく感じるものだが、
記者と公務員の関係になると、寂しさのニュアンスは少し複雑だ。

美味しそうなネタに群がる記者と守秘義務という鎧をまとった職員。

これまでは「どんどん書いて下さい」と国税当局のPR情報を提供してくれた広報マンが
他部署に異動になった途端、「お渡しできる情報はありません」に変わるのだ。

当たり前といえば当たり前だが
夜毎〝意見交換会〟をしていた職員が急によそよそしくなるのはやっぱり寂しい。

こちらも迷惑をかけてはいけないので、少し距離をとってみたりして。
そうなると心の距離はどんどん遠くなる。

それでも、頑張って一歩踏み込んでみると
以前と変わらぬ顔をみせてくれてホッとすることもある。

思いがけず「暑気払いしませんか」と声をかけられて感激することも。
離れてみて初めて見えてくるものって結構ある。
人事異動の季節になると役人との「間合い」の取り方について考えることが多い。