泉佐野市など4団体が不指定、43団体は指定期間短縮のペナルティー

制度初年となる2019年6月から2020年9月までを期間とする指定についての申出書の提出は4月1日から10日間行われ、これまでもふるさと納税を実施していなかった東京都を除く全国46道府県及び1741団体の合計1787団体が申出書を提出した。
申請書類等を受理した総務省では、書類の精査や申出書の内容について地方団体からヒアリングを実施するなどした上で、46道府県及び1737市区町村の1783団体に対して指定(5月15日官報告示)を行い、これらの地方団体は引き続きふるさと納税による寄附を集めることが可能となった。
その一方、2018年11月以降も継続して「返礼割合3割超」かつ「地場産品以外」の返礼品を提供するとともに、11月以降に 「Amazonギフト券」等のいわゆる金券類を新たに返礼品に追加して募集を行うなどの制度趣旨に反する方法によって、11月から19年3月までの間に、50億円を上回る額を集めた泉佐野市を含む4団体については基準に適合しないとして不指定とされ、来年9月まではふるさと納税を行えなくなった。

また、指定はされたものの「北海道森町」や「山形県酒田市」、「長野県小谷村」、「静岡県焼津市」、「佐賀県上峰町」など43団体も、昨年11月から本年3月までの間に、「返礼割合3割超」又は「地場産品以外」の返礼品を提供することにより、2億円を上回る寄附額を集めていたことから指定期間を19年9月末までの4カ月間とされた。なお、この43団体については、19年7月中に改めて同年10月から20年9月末までの指定を受けるための申請をして、指定されれば引き続きふるさと納税が行える。

泉佐野市VS総務省

指定除外とされた地方団体のうち、寄附額がダントツトップだった泉佐野市は、指定除外が明らかになって以降、新制度施行直前まで返礼品を地元の特産品に限る代わりにアマゾンのギフト券を上乗せするなど、総務省への反発ともいえるキャンペーンを行うとともに、今回の除外理由が法改正の施行前の取組を含めたものであり、「法の不遡及の原則から逸脱しており、権限の乱用である」と反論し、総務省に除外理由の具体的な根拠を提示するよう質問状を提出した。しかし、総務省からは「ルール違反は明らかである」との回答だったことから、「除外の具体的な根拠が示されていない」として6月10日、今度は総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」に審査を申し出た。これに対し総務省では、「われわれとしては、淡々と法律の制定に基づいて今まで進めてきたということであります」と石田真敏大臣がコメントをしており、審査の結果が注目されるところだ。

ふるさと納税の行方

ふるさと納税新制度は、ふるさと納税を利用していた納税者にとっては、魅力が半減したかもしれないが、改めて制度の趣旨である「納税者が応援したいと考える自治体への寄附」を考える良い機会かもしれない。また、地方団体も単なる財源確保の手段として活用する色合いが強くなり過度な返礼品競争を招いたことを反省点として、返礼品以上に寄附をしてもらえるような魅力ある施策を期待したいところだ。

一方、今回の基準の厳格化による返礼品の見直しに伴い、返礼品として買い上げられることを見込んで仕入れていた企業が在庫を抱えたり、生産工場を設けてしまったなど、すでに大きな支出をした企業もある。また、返礼品の発送業務などで携わっていた人が仕事を奪われたなどの声も聞かれる。これについては、政府等のふるさと納税を創設時の制度設計の甘さや、その後の見直しの遅れは否めない。