いよいよ、本当にいよいよ消費税増税&軽減税率導入がスタートします。テレビや新聞や雑誌等でも、にわかに特集が組まれていますね。今日は、消費税増税後に予想される混乱や事業者への影響、セミナー参加者から寄せられた質問などについてお話したいと思います。

この度の台風19号で被害に遭われた方に心からお見舞い申し上げます。一日も早い復興をお祈り申し上げます。

さて…、前回の記事(軽減税率制度のあれこれ②~予想される混乱・事業者への影響など〜)の最後に、9月末にはアイスクリームの買いだめをすると書きましたが、アイスクリーム(持ち帰り)は増税後も8%のままでしたね。基本的な勘違いでした。9月30日夜遅くになって「あ!買いだめするの忘れた!」と思った後、「あ!8%のままだ!」と気付きました。おかげで買いだめはしませんでしたが、現在、コンビニ(フランチャイズ加盟店)ではキャッシュレス還元で2%値引きされますので、来年の6月末にはキャッシュレスで買いだめしようと思います(笑)。

「自分らしく生きる」女性士業の働き方を考えるトークイベントより

さぁ10月より消費税の増税&軽減税率が始まりました。初日、各地でシステムの切り替えなどにより正しい税率にならなかった等のトラブル報道がありました。スシローが一時期免税店(消費税率0%)になってしまったとか。私の顧問先様(飲食店)からは、増税初日の夜、お電話で「複数税率対応のレジで1日やったが、本来8%で売るものを10%で売ってしまっていたり、その逆のものがあり、数十円のズレが生じてしまった」というお話がありました。正しく計上することは大切ですが、あまり神経質になって本来の業務に支障が出ては困るので、そのようにお話しました。

経済産業省の『消費税ポイント還元の公式アプリ』が使えない、という記事も読みました。おそらくは、キャッシュレスポイント還元制度の申込期限9月になって駆け込みで申請が殺到したため、お店の情報が誤って登録されてしまったのでしょう。
また、増税を機に、長く愛されたお店が軽減税率への対応のコストが重く、閉店になるなど、悲しいニュースもありました。その他様々なマイナスな記事も目にします。

ただ、概ね順調なスタートなのではないかと思います。私はもっとレジでの混乱があるかと予想していたのですが、思っていたほどの混乱はないように見えます。こんなとき「さすが日本人、みんなしっかり準備していたんだなぁ~」と感心します。お店も消費者も手探りでまだ慣れないですが、少しずつ浸透していくのでしょう。消費税が初めて導入された平成元年、きっとその時はもっと大変だったかと思いますが、今では消費税自体は当然に受け入れられているのですから。

私自身は、入ったお店がキャッシュレス還元のお店であれば、電子カードを使うようになりました。これまでは現金派だったので、そんな私のような人々に一定の効果はあると思います。(ただし来年の7月になったらまた戻るような気もしますが…。)

6月から全国各地の商工会議所等で軽減税率セミナーをさせていただいていますが、その中で「一体資産」をうまく活用すれば商機になるのではないかとお話しました。すると増税後、ビールとジュースの詰め合わせ(2/3以上がジュース)で全体が軽減税率対象となるお歳暮商戦のニュースがあり、「やっぱり!」と思いました。軽減税率対象のものと標準税率対象のものが入った福袋なんかも流行るかもしれませんね。

軽減税率は事業者にとって大きな負担ですし、税理士の立場としては「全部10%にしちゃって!」と切に願っていますが、一消費者としては飲食料品が8%に据え置きなことも、キャッシュレス還元もやはり嬉しいですし、複雑な気持ちです。

さて、お店での増税&軽減税率はもう始まりましたが、帳簿への記帳や新様式の消費税申告書の作成はこれからです。複数税率のみならず、売上税額・仕入税額の計算の特例、簡易課税制度の届出の特例などもあり、気が抜けません。お客様に分かりやすくご説明できるようにしたいと思います。

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