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令和元年度 若者は公認会計士試験、高齢者は税理士試験 年齢による二極化鮮明に

税理士試験に挑戦する“税理士のタマゴ”の減少に歯止めがかからないが、令和元年初の合格者は、昨年より77人増え、749人だった。合格者が増えたのは税理士業界にとって明るい話だが、合格者の年齢を見るともろ手を挙げて喜んでもいられない。隣接資格である公認会計士試験は、若者の合格者が8割以上を占めている。

国税庁が2019年12月13日、令和元年度(第69回)税理士試験結果を発表したことは、すでにこのニュースサイトでも紹介した。

今回の合格者数は、昨年の672人より77人増え、平成28年度試験並みの749人になった。合格者数はこの数年、減っては増えを繰り返しているが、10年前の21年度試験の1058人からみれば、309人も減少している。

*税理士試験合格者の推移

 

10年前の税理士試験合格者と比較で興味深いのが、全体の合格者数に占める「41歳以上」割合が高くなっている点だ。逆に、「26歳以上40歳以下」の合格者層は10年前の半分だ。働き盛りのこの年代が減少していることは、税理士業界の将来を考えたとき、一抹の不安を感じざるを得ない。日本社会はこれからますます人手不足が続くと推察されるが、会計事務所業界においても他人事ではない。

では、“税理士のタマゴ”で受験者数はどうなっているのであろうか。母数が増えていれば、合格者が少なくとも心配することはないが、税理士試験の「受験申込者数」は年々減少している。

過去10年の受験者数を見れば、“税理士離れ”が一目瞭然だ。平成20年度の受験者数は5万1863人いたのだが、同23年度には5万人を割り込み4万9510人、27年度には4万人を割り込み3万8175人、そして令和元年度はついに3万人も割り込み2万9779人となった。3~4年に1万人ペースで減っている。

深刻なのは、合格者同様に若い年代の受験者が極端に減ってきている点だ。今回発表された税理士試験合の受験者は、41歳以上が全体の3割超を占め、30歳以下に至っては、2割超に過ぎない。

(図表2)過去10年の税理士受験者数の年齢別推移

一方で、公認会計士はどうだろうか。公認会計士試験においては、願書提出者数が平成30年試験の1万1172人から1360人増え、令和元年は1万2532人となっている。願書提出者数が増加した一方で、短答式試験合格者数は平成30年の2065人から令和元年は1806人に減少している。

論文試験においては、受験者数が平成30年の3678人から令和元年試験は3792人に増え、最終合格者数も平成30年試験の1305人から令和元年度は1337人に増えている。

注目すべきは、合格者の年齢だ。公認会計士試験の合格者の平均年齢は25.2歳。30歳未満の合格者比率は82.3%を占め、内大学及び短大在学中の合格者比率は39.6%を占める。税理士試験とは、受験生及び合格者の年齢の低さが全く違う。ちなみに、今回の公認会計士試験合格者の最年少は18歳で最年長は62歳だった。

税理士業界の将来を考えたとき、受験生の高齢化は決してプラスではないはず。これに国税OBが毎年、一定数登録するため、税理士資格者の平均年齢は高くなっていくばかりだ。若者に興味を持ってもらうためには、試験制度の在り方など、抜本的な改革が必要ではないだろうか。

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著者: 宮口貴志

KaikeiZine編集長

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。現在は一般社団法人租税調査研究会の事務局長であり、会計事務所ウオッチャー、TAXジャーナリストとして活動。㈱ZEIKENメディアプラス代表取締役社長。
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