■2.離婚後の所得控除は「扶養控除」「寡婦控除」「医療費控除」に注目
次に気になるのが「離婚後のお金の税金」です。女性が就職して収入を得ると所得税や住民税がかかりますが、所得控除を活用すると低く抑えることができます。特に次の3つは、子どもを連れて離婚した女性ならぜひ知っておきたい所得控除です。
・扶養控除
扶養控除とは、親族を自分の収入で扶養している人が受けられる所得控除です。年末時点で扶養する子どもが16歳以上ならば扶養控除が、19歳以上23歳未満ならば特定扶養控除が受けられます。控除額はそれぞれ次のようになります。
- ・扶養控除(年末時点で16歳以上の子どもがいる)…38万円
- ・特定扶養控除(年末時点で19歳以上23歳未満がいる)…63万円
ただ、元夫から養育費が送られているときは注意が必要です。元夫も子を扶養しているため、扶養控除を使えるからです。そして扶養控除は元夫・元妻のどちらか一方でしか活用できません。二重控除にならないよう元夫と話し合いをしておきましょう。
また、子どもの年間合計所得が48万円を超えていると親側で扶養控除ができません。子どものバイト代も確認するようにしましょう。
・寡婦控除
寡婦控除とは離婚・死別でシングルとなった女性に適用される所得控除です。子どもを扶養している独身女性が使えます。ただ、扶養控除と同様、子どもの年間の所得合計が48万円以下でなくてはなりません。
寡婦控除は状況に応じて「一般の寡婦としての寡婦控除」「特別の寡婦としての寡婦控除」の2つに分かれます。子どものいる女性が離婚したケースで考えると、要件と控除額は次のようになります。
【一般の寡婦】
離婚して子どもを扶養している独身女性は全員、一般の寡婦に該当します。控除額は27万円です。
【特別の寡婦】
一般の寡婦の中でも次の3つの条件をすべて満たす人は特別の寡婦に該当し、控除額が27万円から35万円に上がります。
- ・離婚後シングルであること
- ・子どもを扶養していること
- ・年間の合計所得金額が500万円であること
なお、この合計所得500万円を給与年収に換算すると670万円くらいです。
・医療費控除
医療費控除も子どもを持つ親として知っておきたい所得控除です。ただ、子ども分の医療費は、扶養控除と同様、元夫・元妻どちらか一方でしか控除できません。