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AKS申告漏れと寄付金

アイドルグループ「AKB48」の運営会社「AKS」(東京・千代田区)などが東京国税局の税務調査を受け、平成26年11月期までの3年間に、約5億円の申告漏れを指摘されていたという。過少申告加算税を含めた追徴税額は1億数千万円に上る。
 AKSは、AKB48などのメンバーの多くを、自社ではなく、芸能事務所に所属させており、メンバーへの報酬は、それぞれの所属事務所に支払う。AKSは、メンバーが家族と住む家賃や私的な旅行代などを立て替え、経費処理していたが、課税当局は、これらは報酬には当たらず、経費計上できないと判断した。
AKSはすでに当局の指摘を踏まえ修正申告している。

AKSは平成18年1月、AKB48の活動拡大のために設立。現在は名古屋を拠点とする「SKE48」や、福岡を拠点とする「HKT48」の運営も手がける。各グループのメンバー補充にあたっては、オーディションに合格した際、最初はAKSに所属。AKSでは、劇場公演などの活動を行い、やがて大手芸能プロダクション等から声がかかり、所属事務所が決定する。

AKSの主な収入原は、専用劇場の入場料や各種グッズの売り上げ、音楽・映像ソフトの版権、ソフト自体の売り上げなど。資本金は1千万円だが、詳しい売り上げなどは明らかにしていない。

AKSの経理処理については、立替金として処理している一方で、メンバー側は所得として申告している。わざわざ口座の残高が合わなくなるような処理をしているには理由がありそうだが、選抜の引き留めも兼ねた節税対策と考えられます。また、家賃などは「経費」ではなく、課税対象の「寄付金」と判断されたようだ。寄付金と認定された場合、一定の限度額を超えた部分は損金にならない。メンバーにとって痛いのは、申告した報酬もなかったものとはされなかった点です。つまり、寄付金と認定された場合、メンバーは所得税の還付を受けることができません。

課税当局としては、社会的にインパクトの強い法人だけに、少なくても半年以上前から調べていたことが想像できます。

著者: 宮口貴志

KaikeiZine編集長

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。現在は租税研究会の事務局長であり、会計事務所ウオッチャーとしても活動。
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