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基準地価  都市部でも二極化
新幹線、リニアが牽引役に

平成27年も残り数日。マンションも高値止まりになってきたことから、来年こそはマイホームでも買おうと考えている人も少なくないだろう。そうなると、気になるのが地価。できれば高値掴みしたくない。平成27年の地価の動向に特徴はあったのか迫ってみた。

マイホームの購入を考えたとき、地価の動きを知っておくことも重要だ。その指標となるのが公示地価、路線価、基準地価。日本には、土地の価格を知るのに3種類の指標がある。公示価格は3月中旬に国土交通省から発表される。路線価は7月1日に国税庁から、そして直近では9月中旬、地方自治体が基準地価を発表した。

それぞれに違いがあるがものの、直近発表の基準地価から土地の値動きを探ってみたい。ちなみに基準地価は、価格時点(基準日)が7月1日。公示地価や路線価は1月1日時点だ。

国土交通省が9月17日に発表した基準地価によると、山林を除く全用途の合計は、昨年に比べ上昇が4701地点で全体の22.6%、横ばいが3513地点で16.9%、下落が12.586%で60.5%となっている。依然として、約6割の地点で下落しており、全国平均で住宅地が前年比-1%、商業地で前年比-0.5%縮小している。

一方で、東京、大阪、名古屋の三大都市圏は、商業地が2.3%上昇、住宅地でも0.4%上昇しているほど。三大都市圏の商業地においては、業績のよい企業が広い事務所に移転するなど、都市部でのオフィス需要にニーズがある。住宅地においては、都市部の高級マンションに注目が集まり、かなり売れ行きが良い。郊外においては、割高感が出始めており、売れ行きが鈍ってきているようだ。さらに、最近では神奈川県横浜市都筑区の大型マンションの問題も影響し、マンション購入需要は少し下火に。昨年は、すべての都道府県で住宅地、商業地とも下落率が縮小したのに比べると、若干勢いが鈍化したものと思われる。

都道府県別に地価をみていくと、東京都、神奈川県、愛知県、宮城県が3年連続、沖縄県と福島県が2年連続の上昇。大阪府は2年連続の横ばい。商業地においては、東京都、神奈川県、大阪府、愛知県、宮城県が3年連続、埼玉県、千葉県、滋賀県、京都府、沖縄県が2年連続の上昇。北陸新幹線の開通した石川県が下落から横ばいだ。

地価上昇のきっかけは、新幹線効果が大きく、北陸新幹線の開業で石川県金沢市の地価は、住宅地で全国1位、愛知県名古屋市でも2027年のリニア新幹線開業を見込んで地価が上昇している。

このほか、新幹線効果だけでなく、富山県はコンパクトシティへの取り組みが功を奏し、商業地が2年連続上昇、住宅地も横ばい。富山市が補助金などで市中心部の再開発を促す政策をとっており、OECD本部のコンパクトシティ戦略の世界5都市に選ばれている。

新幹線や再開発など、イベントのある都市部は地価が上昇しており、イベントの見込めない地域は低迷。地価の二極化は益々、広がる傾向にある。

著者: 宮口貴志

KaikeiZine編集長

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。現在は租税研究会の事務局長であり、会計事務所ウオッチャーとしても活動。
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