外国法人が株式会社である場合の『株式又は出資の数又は金額』(法23条の2第1項)の読み方は、『株式の数』及び『出資の金額』の2つをいう (いわゆる「たすき掛けなし」) という判断が示されました。

国税不服審判所平成30年12月14日裁決(国税不服審判所HP)

1.事実関係

本件は、審査請求人(請求人)が、J国に所在するE社[1]から受けた剰余金の配当の額の一部について、請求人の外国子会社からの剰余金の配当であり、法人税法上益金の額に算入されないとして申告しなかったところ、原処分庁が、当該法人は請求人の外国子会社に該当しないことから、当該一部は益金の額に算入されるとして、法人税等の更正処分等を行ったことに対し、請求人が原処分の全部の取消しを求めた事案である。

E社の配当決議日(本件配当日)におけるE社の発行済株式の総数(1万301株)のうち、請求人が保有するその株式の数(1株)の占める割合は1万301分の1であった。また、E社の発行済株式の総数のうちの議決権のある株式の数(201株)のうち、請求人が保有している当該株式の数(1株)の占める割合は201分の1であった。なお、請求人によれば、請求人は、本件配当日においてE社の全議決権のうち26%の議決権を有し、かつ、議決権のある株式の総額(6万5211J国ドル)のうち、請求人の保有する議決権のある株式の金額(6万5200J国ドル)の占める割合は6万5211分の6万5200とのことであった。


[1] E社はJ国に所在する旧E社と同国に所在するF社の新設合併により設立された株式会社である。当該合併当日、請求人は、F社に6万5200J国ドルを払い込み、F社株式1株の割り当てを受け、合併契約に従い、それと交換に新設会社であるE社の株式1株の割り当てを受けた。

2.争点

E社は、本件配当日において、請求人の外国子会社に該当するか。