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外国子会社配当益金不算入制度 外国子会社の判断は「株式の数」 元国税審判官が解説 公表裁決から学ぶ税務判断のポイント(第8回)

5.解説

一般に、「A又はB・・・・・に係る・・・・・C又はD」という条文パターンについて、その組合せは「Aに係るC」「Aに係るD」「Bに係るC」「Bに係るD」の4通りがあり、いわゆる「たすき掛けあり」として、これら全ての組合せを含んでいると解釈するのが通常である。しかし、同じ条文パターンでも、いわゆる「たすき掛けなし」として、「Aに係るC」と「Bに係るD」の2通りの組合せのみとする解釈もあるとされており、いずれであるかは個々の条文の解釈により決定される[2]。本裁決では、通則法23条2項2号の「その申告、更正又は決定に係る課税標準等又は税額等」は、全ての組合せを意味するものであり、同法115条2項の「再調査の請求又は審査請求について決定又は裁決をした者」は、「再調査の請求について決定をした者」と「審査請求について裁決をした者」という組合せのみを意味するものであるという具体例を示している。

本裁決では、①外国子会社配当益金不算入制度の趣旨から、外国子会社該当性は、外国法人への支配力(影響力)によって判断すべきこと、②株式会社では、株主が原則として株式数に応じて議決権を有し、株主総会の多数決原理によって運営されること、③「株式の金額」については、そもそも券面額(額面金額)を指すのか、払込金額をいうのか、法令上は不明であることから、株式会社である外国法人の外国子会社該当性要件は、「株式の数」のみと判断している。筆者の知る限り、「株式又は出資の数又は金額」の読み方について判断した裁判例・裁決例はなく、本裁決は、その先例としての意義を有するものと解される。


[2] 伊藤義一『税法の読み方 判例の見方(改訂第三版)』TKC出版143頁


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著者: 霞 晴久

公認会計士・税理士

監査法人トーマツ、新日本監査法人、国税不服審判所を経て現在は霞晴久公認会計士事務所長、千葉商科大学大学院会計ファイナンス研究科非常勤講師
監査法人時代は、会計監査、海外勤務(欧州に通算14年駐在)及び不正調査に従事。
現在は税務と不正調査の「二刀流」を強みとしている。
主な著書(共著)として、「欧州主要国の税法」(2002年)及び「新版架空循環取引」(2019年)がある。
事務所HP:https://kasumi-cpa.com/

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