JSOX「導入後」担当者の役割
JSOX「導入後」担当者の主たる役割は、「導入時」担当者が構築した内部統制について、実務において継続して適用されていることを検証し、エラーの検出時には適切な改善策を実施することです。また、新規事業の開始や既存業務プロセスの変更が生じた場合は、新しい内部統制を構築し、文書化する必要もあります。
新規上場を果たす会社は、新規事業の取り組み、管理業務の効率化等、既存事業からの変化が大きいという特徴があります。新しい業務の追加となるため、JSOX「導入時」担当者が実施してきた内部統制の整備と文書化に対応することが求められます。このような背景から、新規上場会社の「導入後」担当者は「導入時」担当者に近い役割を担うことが多いと言えます。
業務引継ぎ時の注意点
JSOX「導入後」担当者が着任した際、初年度業務は理解することに注力し、従来の運用からの変更は極力避けた方が良いと思います。
「この方法が良いのでは?」と思っても、初年度は我慢です。全体を把握する前に、部分的な視点で変更を加えると後に大きな問題につながることがあるからです。
取締役会等機関決定を伴う統制は事後的な対応が難しいものもあり、特に注意が必要です。「取締役会の決議項目が漏れていました」が事後的に発覚しても時すでに遅しとなります。
引継ぎ時に共有する情報のメリハリも重要です。JSOX導入時の監査法人等とのやり取りは膨大な量となるため、何を共有し、何を共有しないかの判別は重要です。結論に至った背景を詳細に記録し、後任者に共有できる状態は理想的ですが、解決済の論点について、将来後任者が参照するケースは稀です。
効率性の観点からは過度とならないように情報共有することが重要です。
JSOX導入後の後任者にとって重要な情報は以下の項目です。引継ぎに際しては、以下の視点で必要な情報が共有されているかをご確認ください。
- ①必要な手続きとスケジュールが言語化、明確化されているか(「いつ」「誰が」「何をする」を明確にしておく。JSOXは他部署からの資料収集等、社内外ともに多くの人が関与する作業となるため段取りが特に重要。)
- ②検出されているエラーが共有されているか(フォローアップが必要なため論点箇所を共有する。)



