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【実例】会計事務所のシステム導入 コロナ以降のリモート「ワーク」と「ビジネス」を両立させた方法とは【エンサイドコンサルティング株式会社 代表取締役 関口常裕氏】

コロナ禍におけるスムーズなリモート「ワーク」と「ビジネス」を実現したエンサイドコンサルティング株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役:関口常裕)。会計事務所におけるシステム導入事例と、そのシステム導入にあたっての苦労、そして実感されているメリットについて代表の関口氏にインタビューをしました。

社名「エンサイド」の由来と3つの方針

まず、社名の由来や、会社の理念など、貴社についてお聞かせください。

当社の「エンサイド」というグループ名には、3つの大きな思いを込めています。1つ目はお客様との「ご縁」を大切にしたいということ。日本の企業数が350万社、税理士の先生の登録数が8万人ですから、お客様との出逢いって本当奇跡ですよね。そう思ったら、このご縁を実りある関係にしていきたい、喜んでいただきたい。どうしても会計事務所の仕事は、お客様の日々の行動の結果、つまり過去を数字として見える化することが中心になります。その点、製造業に近いのです。我々は製造業だけではなくサービス業を営んでいるとしっかり認識し、お客様に寄り添い、お客様の日々の行動を一緒に考え、お客様の夢を実現していただくというミッションに重きを置いています。

2つ目はお客様の経営のサイド業務をサポートしたいと思っています。お客様のお悩みは会計や税務だけではありません。お客様を中心にして、従業員、金融機関、株主、取引先、年金事務所、税務署…そういったさまざまなステークホルダーがいらっしゃいます。社長の思いをしっかりと受け止め、短期的、長期的な優先順位をそれぞれ明確にしながら、ステークホルダーとのご縁を築いて頂くことが大切です。

例えば、節税という利益を減らす税務戦略と金融機関との良好なお付き合いを継続して頂く財務戦略にはパラドックスがあります。荒っぽい表現にはなりますが、利益を減らすと、金融機関からお金を借りづらくなる。逆に節税しなければ、税金を払うからキャッシュはなくなる。これを解決するには、社長の経営方針を聞いて、今年は節税してお金を貯めるのか、利益をしっかり出して融資をうけることでさらに拡大する時期なのかを判断しないといけません。我々も、税務、会計、財務、法務と日々経営を学び、お客様をサポートしていきたいと考えています。

さらに、そのサポートの方法として、3つ目が「インサイド」。お客様の内側に入って、お客様の夢の実現を一緒に喜びたい、その最短の道を提供する会社でありたいという思いで「エンサイド」と付けました。

当社のメンバーは実務経験を充分に積んだ公認会計士、税理士、社会保険労務士の有資格者はもちろん、若い人材もたくさんいます。お客様から話を聞いて、素直にワクワクできる人材を求めて、採用も進めています。

システム導入のきっかけ

今回導入されたのは、どのようなシステムでしょうか。

サイボウズ社が開発したKintoneをカスタマイズしたシステムで、お客様にログインしていただくと、社内の誰が、いつまでに、何をするか、といったところまで全て見えるようになっています。これによってお客様の依頼したものがいつ提出されるのか、すぐに分かります。お客様からすると「顧問税理士が今、何の仕事をしているのか分からない」と思われていることも多いのです。専門性の高い仕事だからこそ、どのような仕事なのか見える化して、価値を感じていただく必要があります。顧問税理士は、企業経営する上で外せないブレーンです。実際にお会いする時間が持てない現在のような状況でも、お客様のために動いていることを可視化することで信頼関係も築けますよね。

 システムを導入されたきっかけは何でしたか?

もちろんコロナの影響は大きかったです。やはり私たちの業界は、現場、現物、現実の三現主義。お客様の事務所にお邪魔し、雰囲気の変化を感じ、直接お話して信頼関係を築けなければ先に進みません。夢を語ろうと思える相手にはなれないのです。実際にお会いすることは大きな価値があります。導入のきっかけはお客様とお会いできない状況となったことではありましたが、実際にシステムを使ってみると、今度は直接お会いした際の付加価値をどう提供できるかが重要と感じました。リモートの見える化で安心していただいて、お会いして今まで以上に喜んでいただく。リモートを上手く活用することで、お客様との信頼関係が更に増していくのではないかと思っています。

自社開発のソフトウェアではなくkintoneをお使いになったのはどうしてですか?

お客様の大事な情報を扱うのでセキュリティ面を重視したかったというのが第一。そして、今世の中に出ているアプリケーションやソフトウェアは良いものがたくさんあります。それをサブスクで活用しない手はありません。そういった優れたものをどんどん取り入れていきたいと思っています。kintoneだと、クラウド系の会計ソフトや、チャット系のアプリとも連携ができます。お客様も情報のやりとりがしやすいので、コミュニケーションが充実しているサービスを選びました。

導入時の準備

2021年1月から実際にシステムを運用されていますが、大変さはありましたか?

まずはシステムの設計をしたのですが、これが一番大変でした。現在の業務の流れや工数を洗い出してまとめて、システムによって何ができればよいかを書き出しました。

また、システムを運用する際に、システムに詳しい担当者を付ける必要性を感じました。情報自体は大量に、素早くアップされていくのですが、社員がその情報を使いこなすためには時間が必要です。短期的に見ると慣れているやり方が楽ですから、システムを作っただけでは従来のやり方に戻ってしまうと思います。しかし新しいシステムを使い続けて、社内でシステムを育てるという意識でやっています。そうすれば確実に「従来のやり方よりも楽になった」と実感できる地点まで到達できます。

大変なこともありましたが、このシステム導入は、「システム導入をした経験を得る」ということ自体も目的です。お客様も、RPAなど新しいシステムを導入しようとされています。お客様から「エンサイドはいつも新しい情報をくれる」「エンサイドは面白い」と思っていただくためには、まず我々が自ら経験をしなければなりません。

コロナ禍における今後の展望

今後、さらに力を入れていきたいことについてお聞かせください。

リモートワークの付加価値化でしょうか。私たちの業界はリモートワークしにくいのではないかと考えていました。しかしコロナ禍を経て、リモートワークがかなり進みました。その理由もやはり、システム導入にあると思っています。先ほど、システム導入によってお客様からこちらの仕事の進捗や担当者が可視化されたとお伝えしましたが、それと同時に社員も自分の業務を明確に把握することができます。社員が積極的に動けるので、リモートワークにもスムーズに移行できました。

 リモートワークにする上で、何か不安はありましたか?

一番の不安は、お客様との相談がブラックボックス化してしまうことでした。私たちはお客様から相談があったとき、そのお悩みによって優先順位を付けて対応しています。しかしリモートワークになり一人で対応していると、中長期的なお悩みなのか、今すぐ対応しなければならないのか、優先順位が付けにくいのではないか。出勤して近くに誰かがいれば相談できることも、リモートでは相談しにくくなるのではないかと思っていたのです。

しかし、それもコミュニケーションツールを使って気軽に社内で相談できましたし、今は不安に思っていません。今後はむしろお客様にとってリモートワークをメリットにできないかと考えています。リモートによってスピードが増して、そこでRPAを上手く使えたら、さらに守りの質を担保しながら経営の攻めへとサポートの幅を広げられるかもしれません。

 RPAについては、どのような業務での活用を考えていらっしゃいますか?

今は「お客様から求められるスピード」「頻度」の2軸から優先順位の高い業務のRPAを進めています。社内業務の効率化は勿論ですが、やっぱりお客様に喜んでもらいたいですからね。RPAツールも金額が下がってきていますし、今後更に加速していきそうですよね。RPAにチャレンジをした経験も、お客様へのアドバイスとして活かせると思います。

メッセージ

現在は、「作り方」よりも「使い方」が重視される時代です。情報は十分にある中で、経営者はどのように情報を活かせばいいのか悩まれています。私たちに求められる役割も「作り手」から「使い手」、「受動」から「能動」へと重要性が増しています。お客様に夢を実現していただきたい、そのために考え続ける組織でありたいと思っています。今回のシステム導入も、お客様の声から生まれました。お客様の抱えているお悩みを、税務会計はもちろん、それ以外の部分でも見える化して解決に繋げていきたいですね。私たちもベンチャー企業です、まずは私たち自身がワクワクして仕事をする姿を見せたいと思っています。

 

お台場にあるきれいなシェアオフィスにお邪魔しました。他社のプラットフォームを活用することでシステムの安全性をしっかりと確保しつつ、業務フローの洗い出し(設計)から、開発、導入まで自社で実行されたという、一大プロジェクトについて貴重なお話を伺うことができました。システムの導入をゴールと捉えるのではなく、常によりよいものへと改善していく、壁があったとしても、常に前を向いて実行していくことを大切にされている姿勢がとても印象的でした。関口さん、ありがとうございました!

エンサイドコンサルティング株式会社

●設立

平成29年9月29日

●所在地

東京都江東区青海2-7-4 the SOHO 937

●エンサイドグループ

  • 税理士法人エンサイド
  • エンサイド公認会計士共同事務所
  • 社会保険労務士法人エンジン
  • 株式会社エンサイドソリューションズ
  • 株式会社あなたのエンジニア

●企業URL
https://enside.link/

 

著者: KaikeiZine編集部

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