■事業再構築指針

「事業再構築指針」は、事業再構築補助金の対象を明確化するため、「事業再構築」の定義について、明らかにしたものです。

ここで、「事業再構築」とは、「新分野展開」、「事業転換」、「業種転換」、「業態転換」、「事業再編」の5つを指します。補助金に申請するためには、これら5つのうち、いずれかの類型に該当する事業計画を策定することが必要となります。

事業再構築指針の手引きには、次のような図で示されています。

参考:事業再構築指針の手引き(経済産業省)

ここでは、「新分野展開」、「事業転換」、「業種転換」、「業態転換」、「事業再編」のそれぞれの要件を見ていきます。

〇新分野展開

主たる業種や主たる事業を変更することなく、新たな製品の製造やサービスの提供等により、新たな市場に進出することをいいます。

新分野展開に該当するには次の要件が示されています。

  • ①製品等の新規性要件
  • ②市場の新規性要件
  • ③売上高10%要件

それぞれについて詳しい要件は次のようになっています。

  • ①製品等の新規性要件

製品等の新規性要件を満たすには、次の4つを満たす必要があり、これらを事業計画の中で示します。

  • (1)過去に製造等した実績がないこと

その会社にとって、新たな製品の製造やサービスの提供にチャレンジするもの。

  • (2)主要な設備を変更すること

既存の設備でも製造可能なものでなく、新たな製品の製造にあたって新しい設備を導入する。

  • (3)競合他社の多くが既に製造等している製品等ではないこと

新たに製造する製品や提供するサービスが、競合他社の多くで提供していないもの。

  • (4)定量的に性能又は効能が異なること(計測できる場合)

製品の強度や軽さなどの性能・効能が計測できる場合は、既存製品と比べてどれくらい向上するかを示す。

  • ②市場の新規性要件

市場の新規性要件を満たすには、次を満たす必要があり、これを事業計画の中で示します。

  • (1)既存製品との代替性が低いこと

新製品を販売しても、既存製品の需要が代替されず売上が減少しないこと。

さらに、既存製品と新製品の顧客層が異なる場合は、審査においてより高い評価を受けられる可能性があります。

  • ③売上高10%要件

3~5年間の事業計画期間終了後、新たな製品やサービスの売上高が総売上高の10%以上となる計画を策定することが必要とされています。