3.原処分庁の主張
次のことから、本件譲渡代金の収益計上の時期は、平成27年10月期である。
- ①本件契約書には、開発関連書面は、決済日前に適法かつ有効にK社に移転し取得されている旨記載されており、本件基本合意書にも、K社に移転又は取得され承継手続が全て完了している旨記載されている。
- ②K社は、開発許可に基づく地位の承継承認通知書の交付を受けている。
- ③本件開発権は、K社に対する書面等の引渡しが全て完了しており、K社が開発許可に基づく地位の承継承認通知書の交付を受けた日がK社において使用収益ができることとなった日であると認められる。
4.審判所の判断
(1)検討
本件譲渡代金の収益は、その収入すべき権利が確定したときの属する年度の益金に計上すべきものと解されるところ、その権利が確定する時期は、契約に定められた物又は権利の全てを引き渡し、移転又は取得させた時と認められる。
本件契約書の2条2項において、請求人の手続面における義務が定められ、同条3項において、同条2項の手続の完了のみを停止条件として本件開発権の全てをK社に対して移転し又は取得させなければならないと定められていることから、本件開発権に係る同条2項の手続が完了するまでは、権利の移転の効力の発生が停止しているとみるのが相当である。
請求人が本件開発権について契約に定められた物又は権利について、その全てを引き渡し、移転又は取得させたといい得るためには、本件契約書に定められている開発関連契約に係る契約上の権利義務及び地位の移転について、引継契約が締結される必要があるが、本件清算合意書の締結時までに、一部の契約を除き、引継契約が締結されていなかった。
そうすると、本件清算合意書の締結により、本件契約書の2条2項に定める手続が完了し、同条3項に定める停止条件が成就したものとみるのが相当である。
したがって、本件清算合意書が締結された平成28年7月6日に、本件譲渡代金の収入すべき権利が確定したと認められるから、本件譲渡代金の収益計上の時期は、平成28年10月期である。
(2)請求人の主張の排斥
原処分庁は、本件開発権について、本件契約書及び本件基本合意書に基づき、K社に移転又は取得され承継手続が全て完了していることを前提に、本件譲渡代金の収益計上の時期は平成27年10月期である旨主張する。
しかしながら、本件清算合意書の締結時までに、本件契約書2条2項の手続は完了しておらず、原処分庁の主張はその前提を欠いている。
したがって、原処分庁の主張には理由がない。



