5.雇用

日本の雇用状況については賛否あるところかもしれませんが、やはりコロナ禍で浮き彫りになった点があると思います。それは正社員の雇用環境です。日本では正社員の権利が法律でしっかりと保護されており、解雇には一定のハードルが存在します。それはコロナ禍も例外ではないようです。完全失業率のデータを見てみます。

もともと日本の完全失業率は2%程度と低い水準でしたが、注目すべきは緊急事態宣言が発出された2020年4月以降の推移です。新型コロナウイルス感染症の影響により上昇傾向にあるとはいえ、なだらかな曲線を描いており、ピークは2020年10月の3.1%にとどまっています。つまり、新型コロナウイルス感染症が企業の業績に影響を与え始めた後も、完全失業率の急激な上昇は起こっていないと言えます。
一方、雇用の流動性が高いアメリカでは、各州のロックダウン開始と足並みを揃え、2020年3月には4.4%、4月には14.8%と急激に、そして大きく上昇しています。その後は徐々に落ち着いてはいるものの、2021年3月時点で6.0%であり、コロナ禍前の水準である3%台半ばの倍程度となっています。
その他の国を見てみると、イギリス、ドイツ、韓国は日本同様、緩やかな上昇傾向ですが、スペイン、イタリア、フランスは2020年4月以降、大きく上昇しています。
また新型コロナウイルス感染症により甚大な影響を受けた業界では、航空業界でJAL 2,867億円、ANA 4,050億円、百貨店業界で三越伊勢丹HD 415億円、高島屋 339億円など、2020年度決算で各社大きな赤字を計上しています。しかしながら雇用調整助成金などの様々な政策に加えて、取引先への出向、一時帰休など様々な施策を取ることでなんとか雇用を確保しようとしており、また雇用を守る旨の発言が経営者から出ている企業もあります。
あくまで正社員としての立場から見ると、外資系企業に比べて日本の雇用環境の安定性は少なからぬメリットと感じられます。
最後に

世界一周を終えて5年がたち、またコロナ禍も1年が過ぎたタイミングで、日本のいいところを振り返ってみました。今回は5つのポイントに限定していますが、その他にも食事の美味しさ、時間の正確性など、日本にはたくさんいいところがあると感じています。
3度目の緊急事態宣言が発せられ、メディアやネット上で日本についてのネガティブな情報が散見されますが、他国と比較するとポジティブなところもたくさんあります。自粛が続き鬱々とした日常が続く中、日本のプラスの面にも改めて光を当てるのにいい時期かもしれません。
【注釈】
*1 世界の殺人発生率 国別ランキング・推移 (GLOBAL NOTE)
https://www.globalnote.jp/post-1697.html
*2世界のビッグマック価格ランキング (世界経済のネタ帳)
https://ecodb.net/ranking/bigmac_index.html
*3 THE STURBUCKS INDEX 2019 (finder)
https://www.finder.com/starbucks-index
*4国際比較統計:完全失業率(新型コロナウイルス感染症関連情報: 新型コロナが雇用・就業・失業に与える影響)(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/f/f01.html
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