● 最後にS、「簡単にできないか?」
ようやく、簡単にできないか、の出番です。考える順番としてはこれがいちばん最後。E→C→Rの検討段階ですでに無駄な作業が整理されたり、逆にその業務における本質部分が見極められたりしているかと思います。ここまで絞り込んでからシステムの導入や細かな作業手順の工夫など簡単にやる方法を考えましょう。
方法を考えるときに大切なのはB/C(ビー・バイ・シー:Benefit by Cost)、つまり費用対効果です。もっと砕けていえばコスパです。会計事務所は労働集約的な産業といえるので、削減によって生まれる時間や標準単価を用いて換算した金額(Benefit)と、そのカイゼンにかけるコスト(Cost)を比較します。ちなみにここにいうコストはお金だけでなくカイゼンにかける時間等も考慮します。
単純化して考えると、仮に標準単価を1時間5千円に設定し1時間の時間短縮に取り組む場合、このカイゼンに5千円分のコストをかけても元が取れるという計算。さらに浮いた1時間で別の仕事ができるのであればこのカイゼンはやった方が得です。ただ実際には、そのカイゼン効果の継続性や他案の検討等も必要なのですぐにカイゼン案を採用するかは別ですが、こんなイメージで考えます。
重要なのは効率化は目的ではなく手段だということ。その先の総工数(≒労働時間)の短縮などといった目的が達成できるか、という視点は常に意識して取り組みましょう。
また話はややそれますが会計事務所などの労働集約的産業においては、まさに「時は金なり」です。その視点でいけばパソコンの処理速度やインターネットの通信速度は、非常に重要です。簡単にできないかの「S」は、Simplify:簡素化、簡略化だけでなく、Speed-up:スピードアップという意味も含んでいると捉えてもよいでしょう。
● カイゼンは家事と同じ
こんな話を数名の方に熱く語ったのですが、「それって、私も家事の時短でやってますよ」とあっさり言われました(笑)。そう、何か難しそうにECRSとか書きましたが、やっていることは普段の家事で意識していることと変わりません。洗濯の「洗う」→「干す」→「取り込む」→「畳む」という一連の流れで考えてみましょう。
→そもそも洗わない(全部クリーニングに出す)
→そもそも干さない(乾燥機で終わり)
→ハンガーで干して、そのまま取り込んで畳まずに着る
え、家事やったことあるの?何を言ってるの?みたいなことを書いていますが、わりと真面目です。アイデアを出すときは振れ幅大きく、ゼロベースで考えてみましょう。あと、今思いつきましたけど、そもそも服を着ない、というアイデアも出たりして…(笑)
→部屋干しにして取り込む手間を削減
→同じ種類ごとにまとめて洗濯
やや無理やりですかね?もっと細かいところで行くと、みなさん洗濯物を取り込んで畳むときって、取り込んだ洗濯物をいったん山にまとめて、あとで座って畳むじゃないですか。わざわざ洗濯バサミから一枚だけ外して畳んで、またもう一枚だけ外して畳んで、なんてやりませんよね。何気なく順番を工夫して効率化しているということです。洗濯では自然にできていても、普段の業務の中では非効率な手順でやっているなんてことが隠れているかもしれません。
→洗濯物を畳む便利グッズ
→自動折り畳み機械の導入
→きれいに素早く畳むワザの習得
最後にこれですね。せっかく便利グッズを買っても、そもそも干さない、という案を採用したら意味のない投資になりますから。
どうですか?こんなふうに日々の業務を家事と同じように捉えれば、いろんなアイデアが出てきそうではありませんか?



