次に、既に特例猶予を現在受けられている方、またはその申請を担当された税理士の方はお気をつけください。
お手元にある「納税の猶予許可通知書」に記載されている猶予期間の終了日をすぐに確認してください。
猶予期間の終了日までに納付すべき国税の全額が納付できない場合には、その翌日から延滞税がかかります。また、督促状が送付され、納税コールセンターから催促の電話を受ける場合もあります。
先日、私が特例猶予申請をお手伝いした納税者の方へ猶予期限が近づいていることを知らせると、納税者の方からは、「特例猶予が認められた時点で安心していた。1年後に納めなければいけないことをすっかり忘れていた。」との返事が返って来ました。
そうなんです。毎月分割納付をしながら期限を猶予されている換価の猶予と違い、特例猶予は納税をしないで1年間の期限の猶予を受けていますので、つい猶予期間の終了日を忘れてしまいがちなのです。
では、特例猶予期間の終了日までに全額納付ができない場合はどうすればいいのか。
その場合には、特例猶予期間の終了日までに申請すれば、換価の猶予または通常の納税の猶予を受けられることがあります。
ポイントは、「特例猶予期間の終了日までに申請」することです。
先程、猶予期間の終了日の翌日から延滞税がかかると説明しました。令和3年における延滞税は年8.8%の割合※でかかりますが、換価の猶予または納税の猶予が受けられると年1.0%の割合に延滞税が軽減されますので、納税の負担が少なくて済みます。
税務署長の職権による猶予の場合は、猶予許可日以降から延滞税が軽減となりますが、申請による猶予の場合には、猶予が認められると申請日から延滞税が軽減されます。要は、特例猶予期間の終了日と申請日の間に期間を空けないことです。
※ 延滞税の起算日は法定納期限の翌日からと国税通則法に規定(国税通則法第60条)されており、特例猶予の場合でもそれは変わりません。従って、特例猶予期間終了日までに完納できないと、1年前の本来の法定納期限の翌日にさかのぼってから延滞税が計算されます。
ただし、特例猶予期間については延滞税が免除されますので、実質、特例猶予期間終了日の翌日から延滞税がかかることになります。また、この場合、延滞税特例基準割合が適用される法定納期限からの2ヶ月は既に経過していますので、いきなり年8.8%の割合で延滞税が計算されることになります。
換価の猶予または納税の猶予の申請には、猶予申請書の他に財産及び収支に関する書類等の提出が必要です。また、猶予の審査に当たっては、元帳や売上帳などの収支状況の分かる書類や手元資金の現在高が分かる現金出納帳や預金通帳の写しを求められる場合があります。
帳簿等を準備することが難しい方も諦めないでください。徴収担当者が聞き取り等によって対応してくれる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症対策として、税務職員も交代での在宅勤務になっていて担当者が不在の時がありますから、できれば期限切れの1か月前ぐらいまでに所轄の税務署徴収担当者へ早めに相談されることをお勧めします。
※ 地方税、社会保険料等の猶予申請等をされた場合には、その際の申請書や財産収支状況書等の写しを添付することで、一部の記載や書類の添付が省略できます。



