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投資意思決定モデルを用いた国家資格のコスト・リターン分析(第1回)

高収入な仕事や収入のアップを望む際、資格の取得は一つの選択肢になります。そして膨大な数の資格がある中、何を目指すか決定するポイントの一つとして経済的価値(得られる収入、費やすコストなど)は重要な要素ではないでしょうか。
今回はいくつかの資格について、管理会計の投資意思決定モデルに基づいて経済的価値を分析していきます。

1.対象の資格

資格と一口に言ってもさまざまありますが、今回は士業とされる国家資格のうち、公認会計士、税理士、弁護士、司法書士、行政書士、社会保険労務士(社労士)を取り上げます。
また参考のため、高収入かつ高コストである医師についても見ていきます。

2.コスト

(1)集計するコストの範囲
コストとしては専門学校や大学院の費用など、一般的に必要と考えられる費用を集計しています。ただし試験費用等、金額が大きくない項目は含めていません。
なお大学の学費もコストに含めていますが、今回対象とした各種資格では必ずしも大卒という経歴は求められていません。しかしながらこれらの資格保持者の多くが大卒者であることから、ここでは考慮することにしています。

 

(2)コスト一覧
資格取得のコストをまとめたのが次の表です。

* 大学・専門学校HP、各種サイト、また資格保有者へのヒアリング等をもとに推計(*1)

 

大学の学費を含めたため、その費用が大半を占めることになります。専門学校の費用については、30%超を占める税理士を除き、いずれも20%未満にとどまっています。弁護士の場合、専門学校の代わりにロースクールの費用を追加しています。

コスト総額で見ると社労士490万円~弁護士700万円と1.4倍の差があります。ただし、これらの有資格者を多く輩出している大学の文系学部間ではコスト面の大きな差はありません。その結果、資格取得にかかるコストはこの程度となっています。

一方、医師については3,500万円と一桁差があります。医学部や医科大学では年間の学費が高いことに加え6年制ということもあって負担が大きくなっています。

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