3.請求人の主張
次のとおり、米国アマゾン社の役務の提供に対する支払手数料は、仕入税額控除の対象となる。
- ①米国アマゾン社は、消費税法改正[2]以前から、千葉県市川市に物流センターを所有し、そこには関連会社のパソコンや機器類が持ち込まれて使用されていたことなどからすれば、当該物流センターは恒久的施設に当たる。
- ②また、アマゾンが、上記①の物流センターから国内の購入者に向け請求人の商品を送付しているという、現実に行われている取引の物流や請求人の取引実態等からすれば、役務の提供は日本国内でしか行われていない。
[2] 平成27年4月の消費税法改正により、電気通信利用役務の提供に係る内外判定基準の見直しがあり、同役務が国内取引に該当するかどうかについては、「役務の提供を受ける者の住所等」によって行うこととされたことを指す。
4.審判所の判断
(1)検討
事業者が事業として他の者から受けた役務の提供は、課税仕入れに該当し、国内において行う課税仕入れは、仕入税額控除の対象となる。そして、役務の提供が国内で行われたかどうかは、当該役務の提供が行われた場所が国内にあるかどうかにより判定され、更に、消費税法施行令6条2項1号ないし6号に掲げる役務の提供以外のもので国内及び国内以外の地域にわたって行われる役務の提供その他の役務の提供が行われた場所が明らかでないものについては、役務の提供を行う者の役務の提供に係る事務所等の所在地が国内にあるかどうかにより判定することとされている。
請求人は、事業を営むため、アマゾン契約を締結し、アマゾンからアマゾン契約におけるサービスの提供を受け、その利用の対価として、アマゾン手数料を支払っていたものと認められる。かかる役務の提供は、そのサービスがインターネットを通じて行われるものであることからすれば、上記でいう、役務の提供が行われた場所が明らかでないものといえる。この場合は、役務の提供を行う者の役務の提供に係る事務所等の所在地が国内にあるかどうかにより判定することとなる。そうすると、アマゾン契約のうち出品サービス及びクリックスサービスについては、これらの契約当事者である米国アマゾン社が役務の提供を行うものであり、同社の事務所等の所在地がアメリカ合衆国内にあるから、その役務の提供は、国外において行われたものと認められる。したがって、出品サービス及びクリックスサービスに係る手数料は、国内において行う課税仕入れに該当しない。
他方、アマゾン契約のうちFBAサービスについては、その契約当事者である日本アマゾン社が役務の提供を行うものであり、同社が内国法人であることから、その役務の提供は、国内において行われたものと認められ、FBAサービスに係る手数料は、国内において行う課税仕入れに該当し、仕入税額控除の対象となる。
(2)請求人の主張の排斥
国外の事業者から受けた役務の提供に係る手数料が仕入税額控除の対象となる課税仕入れとなるか否かは、当該国外の事業者が日本国内に恒久的施設を有するか否かではなく、当該役務の提供が日本国内で行われたかどうかによって判定するものであるから、請求人の主張には理由がない。また、請求人が主張する物流に係る取引は、FBAサービスに係るものを指すものと認められるが、FBAサービスは、米国アマゾン社ではなく日本アマゾン社が役務の提供を行っているものであり、当該役務の提供の対価として請求人が支払った手数料は、国内において行う課税仕入れとして、請求人がFBAサービスを利用していた課税期間の消費税等の各更正処分においても仕入税額控除の対象とされている。したがって、この点に関する請求人の主張にも理由がない。



