請求人は、委託者から委託を受け、運営責任者として飲食店の業務を行っており、同店舗に係る営業時間や提供する商品のメニュー、価格等について委託者の指示に従わなければならず、委託者から支払われる委託料は、契約等に基づき委託者が算出していることなどからすれば、請求人は、委託者の指示の下、委託者に対し店舗の各種業務を行う役務を提供するサービス業を行っていると認められ、簡易課税制度適用上第四種事業(飲食店業)ではなく、第五種事業(サービス業)に該当するという判断が示されました。

国税不服審判所令和2年3月4日裁決(裁決事例集未掲載  TAINS:F0-5-282)

1.事実関係

本件は、審査請求人(請求人)が、請求人の営む事業は簡易課税制度に係る事業区分が第四種事業に該当するとして控除対象仕入税額を計算して消費税等の確定申告をしたところ、原処分庁が、請求人の営む事業は事業者に対する人的役務の提供を行うサービス業であり第五種事業に該当するとして、消費税等の更正処分等をしたのに対し、請求人が、原処分の全部の取消しを求めた事案である。

請求人は、食品衛生法の規定に基づく店舗の営業許可を取得しているA社との間で、飲食店(本件店舗)の運営(本件事業)に関する契約を締結し、A社から委託された本件事業を行っていた。一方、国税庁ホームページには、簡易課税制度適用に関する質疑応答事例(本件質疑事例)[1]があり、そこには、日本標準産業分類からみた事業区分として「大分類【R-サービス業(他に分類されないもの)】」>中分類「その他の事業サービス業[92]」>小分類「他に分類されない事業サービス業[929]は第五種事業としつつ、「留意事項及び具体的な取扱い」として、「学校から学校給食(学校の食堂)の委託を受けて行う食堂の経営及び学校の寄宿舎での食事の提供は、第四種事業に該当する。」と記載されていた。


[1] https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/20/09.htm