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固定資産の課税仕入れの日について契約基準は適用されないとされた事例【消費税/請求棄却】元国税審判官が解説 公表裁決から学ぶ税務判断のポイント(第29回)

土地建物を取得した請求人が、建物に係る消費税等の還付を受けるためだけの目的で、他に合理的な理由が存在しないにもかかわらず、形式的かつ画一的に、固定資産の課税仕入れの時期について、契約の効力発生の日とする契約基準を定めた消費税法基本通達9-1-13ただし書の規定を適用することは認められないとの判断が下されました。

国税不服審判所平成30年3月27日裁決(裁決事例集未掲載、TAINS:F0-5-239)

1.事実関係

本件は、審査請求人(請求人)が、不動産売買契約に基づく建物等の取得に係る支払対価の額を、当該売買契約の締結の日の属する課税期間(本件課税期間)の課税仕入れに係る支払対価の額に含めて消費税等の申告をした(法人税の申告については省略)ところ、原処分庁が、当該建物等の取得に係る支払対価の額は、当該売買契約の締結の日の属する課税期間の課税仕入れに係る支払対価の額に該当しないとして、消費税等の更正処分等をしたのに対し、請求人が、これを不服として、原処分の全部の取消しを求めた事案である。

請求人は、不動産の賃貸借及び所有・管理・利用等を目的として設立された同族会社(決算日11月30日)であるところ、平成24年11月30日、土地及び建物(本件不動産)を2億円で買い受ける旨の契約(本件売買契約)を締結し、同日、手付金300万円を支払った。その後、同年12月21日、本件不動産の残金全額を支払い、本件不動産の所有権は売主から請求人に移転した。請求人は、本件課税期間の消費税等について、本年不動産の建物部分(本件建物等)の「課税仕入れを行った日」(消法30①一)を本件売買契約の日の平成24年11月30日とし、本件建物等の支払対価の額税込1億3900万6926円(本件支払対価)に係る消費税額を、本件課税期間における控除対象仕入税額に算入して、法定申告期限までに確定申告した。

なお、請求人は、平成24年11月21日、金地金を2万5055円で購入し、同月28日、その全量を売却した。なお、請求人の本件課税期間における資産の譲渡等の対価の額は、当該金地金の売却のみであった。

2.争点

本件建物等の「課税仕入れを行った日」は、本件課税期間に属する日であるか(他の争点は省略)。

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