今回は、みなし配当を含め、日本郵政の今回の配当の考え方を解説します。

先週、日本郵政の「期末配当金のお知らせ」を読んで、一部の株主が「難しい」「どうしたらいいの?」と、SNSで悲鳴をあげました。次の一文を目にしたからです。

【引用元】「第16期 期末配当に関するお知らせ」(株式会社日本郵政)

特に「みなし配当」という見慣れない用語に戸惑った様子です。今回は、みなし配当を含め、日本郵政の今回の配当の考え方を解説します。

■みなし配当とは

みなし配当とは、会社法上の配当にはならないものの、実質的には利益配当と変わらないため、税法で配当とみなされて課税されるものをいいます。

会社法で定める配当は、利益を含めた「剰余金の配当」です。この配当は「配当所得」として所得税・住民税が課税されます。

しかし、剰余金の配当以外でも、株主にお金を払うことがあります。次のようなケースです。

  • 1.自己株式又は出資の取得
  • 2.資本剰余金からの配当
  • 3.会社の解散による残余財産の分配
  • 4.会社の合併や分割など組織再編に伴う金銭の支払い

これらは会社法上の配当ではありません。しかし、法人税法・所得税法では、こういったものにも利益の配当があると考え、税務上の扱いを定めています。