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“合格するまで絶対に諦めない”-9年かけて会計資格の最高峰に挑んだ公認会計士のキャリア【クボトモ税務会計事務所/代表 久保智也氏】

今回の実力派会計人は、公認会計士・税理士 久保智也氏。大学在学中に公認会計士を目指すも三振(公認会計士試験では、合格した年を含めて3回論文式試験を受験できるチャンスがあるが、全て不合格になることを俗に「三振」という。)をしてしまい、試験に合格をしたのは29歳のとき。論文式は計5回受験をした。資格取得を目指してから合格するまでに約9年を費やした久保氏だが”公認会計士の資格を目指すことを辞める”という選択肢はなかったと語る。今回は、久保氏の試験合格に至るまでの道のりと、これまでのキャリア、今後のビジョンについて話を伺った。(取材・撮影/レックスアドバイザーズ 市川)

論文式を5回受験し手に入れた”最高峰”の資格

資格取得を目指したきっかけを教えてください。

久保:大阪にある電気設備関連の小さな会社を両親が経営していて、父が現場に出てクーラーを取り付けたり、電話の配線工事を行ったりして、母が経理業務を担当していました。そして、よく母が「税理士の先生に聞いたらこんなアドバイスをもらった」と父に話していました。

両親が、その税理士の方を頼りにしているのを見て、税理士とは中小企業の経営に寄り添ってサポートしてくれる職業なのだと知りました。そして、自分の知識や経験を武器に、独立をして一国一城の主として自立した働き方がかっこいいと思い、当初は私も税理士を目指すつもりで簿記の勉強を始めました。大学2年生の頃です。

ちょうどそのころ、税理士について本などで調べていたところ、並んで紹介されていた公認会計士という資格が目に留まりました。”会計資格の最高峰”と書いてあり、また公認会計士は税理士の登録もできることを知り、どうせ目指すなら最高峰の資格を目指してみたい。そう思って、公認会計士のための勉強を始めました。

そして、大学4年生のときに短答式に合格。このまま、論文式に受かれば新卒として監査法人に就職。最高峰の資格を武器に、最高の人生が送れると思っていました。

しかし、結果として論文式に3回落ちてしまい、いわゆる”三振”をしてしまうのです。

母の代わりに経理業務を。2年間の空白期間を経て、会計士試験に再挑戦。

久保:実はこの期間に父と母が離婚をして、妹も体調を崩してしまい…そんな家族のことを考えると気持ちも落ち着かず、勉強に向かえなくなってしまいました。とりあえず、椅子に座って教科書を開くんですけど、何も頭に入ってこないんですよ。

そして、母が家から出て行ってしまったので、私が家業の経理業務を担うことになりました。この頃は、公認会計士になる夢も薄れつつありました…。3回連続で落ちたので自信もなくしていましたし、このまま続けていても厳しいという気持ちもありました。

しかし、2年ほどすると母が家に戻ってきたのです。家の状況が少し落ち着いてきた頃にふとTwitterを眺めてみると、今まさに頑張っている会計士受験生がたくさんいました。その姿を見て、やはり自分ももう一度頑張りたいと、26歳のときに親に頼んでもう一度勉強を始めました。

そこからは、毎日勉強です。お昼過ぎまで家で勉強して、そこから予備校に行き、夜まで勉強しました。しかし、その年の短答式は合格できたものの論文式はまたしても不合格…。

ここでやっぱりダメだったと、諦めることはいつでもできました。それでも、ここで諦めたらこれからの人生諦め癖がつきそうな気がして…もっとダメな自分になりそうで、それに抗う気持ちでもう一年勉強をすることに決めました。

これまでのやり方だとまた不合格になってしまうと思い、勉強の仕方を変えようと思いました。親身になって相談に乗ってくれる予備校の先生がいたので、その方に質問をよくするようになりました。そこで分からないことや、勉強方法を相談ができたのは大きかったです。当時は人に頼ることが苦手だったり、遠慮をしてしまってあまり周囲に意見を求めることができませんでした。勉強の方法も、今考えれば人にアドバイスを求めることが必要だったと思います。

結局、論文式は5回受けてやっと受かりました。予備校の先生にも、そんなに受けている人はあまりいないよと言われましたが…(笑)。

合格発表は友人と見に行ったのですが、その友人も合格していて、やっぱり涙が出ました。二人で抱き合って泣いたのを覚えています。時間も費やしましたし、親にも迷惑を掛けていると思っていたので、これでようやく周囲に心配を掛けずに済むとホッとしましたね。

29歳、公認会計士となり見える景色が変わった

その後、EY新日本有限責任監査法人でのキャリアを経て、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社にご転職をされています。

久保:知り合いの方がEY新日本有限責任監査法人の金融部門にいらっしゃって話を聞いているうちに興味を持ちました。そして、金融部門に入るならクライアントの多い東京がいいということで上京をすることにしました。

監査の仕事は、毎日が楽しくて刺激的でした。やっと手に入れた資格を使い働けていること自体が嬉しかったです。優秀な同僚・先輩も多く、学べることもたくさんありました。私は30歳手前になっていたのですが年齢問わず平等にチャンスをくれる環境もありがたかったですね。こうして監査業務に従事していたのですが、3年ほど経つと周囲が転職をし始める第一波があり、仲間内でも事業会社やコンサル会社等に転職をするという同僚がいました。

自分も今後のキャリアをどうしようかと考えていた時に、M&Aという大きな仕事があって、会計のことも勉強できるDTFA(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社)という会社と出逢い、転職をすることにしました。

M&Aをするにあたって私が担当していた財務DD(デューデリジェンス)業務は3週間から1カ月で完了させなければいけません。その中で、会社のことを調べて報告しなければならないというプレッシャーがありました。短い時間で対象会社のことを知って、分析して、対象会社を買うクライアント先に報告してフィードバックを貰って、また報告して。監査法人に比べて作業も多く負荷はありましたが、とても勉強になりました。

M&Aの仕事も楽しかったのですが、2020年になりコロナ禍の中で家にいる時間が増えたときに、そもそも自分がやりたいことは何だったかと考えてみる機会が増えました。

すると、税理士を目指し始めた当時の気持ちが蘇ってきたのです。

税理士をとても頼りにしていた両親の姿…そうだ、私は自分自身を武器に、責任を持てる仕事がしたい。一国一城の主になるという働き方に憧れていたんだ、ということを思い出したのです。家族や周囲は「好きなことをやってみれば」と背中を押してくれましたし、考えるほど独立してやってみたいという気持ちが膨らんできたので独立をすることにしました。

公認会計士は夢のある仕事。諦めずに頑張ってほしい。

久保先生にとって、会計・公認会計士の仕事はどのようなものだと感じていますか。

久保:会計という専門性は日本のどこにいても必要とされるスキルになるので強みになります。監査法人にいると感覚がマヒしてくるのですが、会計を深く理解している方は本当に少数です。なので、公認会計士は本当に多くの方に頼りにされていますし、働き甲斐のある仕事ができていると私は感じています。

 あとは、公認会計士の資格を持っていると監査法人はもちろん、上場企業の経理、経営企画、ベンチャー企業の監査役、FAS、多様なキャリアの選択肢があります。こんなに多くの選択肢がある資格も珍く、やりたいことができる資格です。

今勉強をされている方は本当に毎日つらいと思います。もう辞めてしまおうとペンを置いてしまいたくなる日もあるでしょう。

でも、諦めなければ必ず努力は報われます。もし、なかなか成果が出ないときは勉強の仕方にズレが生じている場合があるので、積極的に周囲や専門学校の方に相談をして周囲にアドバイスを求めることをおすすめします。

私自身、公認会計士・税理士として独立というキャリア選択をしました。最初に資格を目指した理由である中小企業のサポートをしたいと思っています。父のような中小企業は、資金繰りも一つ回収できなかったら倒産に追い込まれることもありえます。そういった中小企業や創業したばかりの方、個人事業主の方をサポートしていきたいと考えています。

 

【編集後記】

9年という長い年月をかけて夢を叶えた久保先生。当初は紆余曲折あり立派な人生でないので取材を受けるのも悩んだとのことですが、今回、会計業界を盛り上げたいということでご自身のこれまでのお話を聞かせていただきました。久保先生、ありがとうございました!

クボトモ税務会計事務所

●設立

2021年

●所在地

東京都豊島区南池袋1-16-20 ぬかりやビル6F

●理念

お客様の最良のパートナーであり、お客様とトモに成長する会計事務所であり続けます

●企業URL

https://kubotomo-kaikei.jp/

 


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著者: KaikeiZine編集部

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