事業再構築補助金の第3回公募が開示されました。事業再構築補助金は、コロナの影響を受けた社会変化に対応するため、中小企業の新規事業などの取り組みを支援するものです。補助金額や全体の予算額が大きく注目されています。ここでは、第3回公募の概要や申請のポイントについてご説明します。

■事業再構築補助金の第3回公募の概要

まず、事業再構築補助金自体の概要をお知りになりたい方は、『今後注目の「事業再構築補助金」について』の記事(https://kaikeizine.jp/article/21326/)をご参照ください。

ここでは、主にこれまでの公募と異なる点についてお伝えします。スケジュールのほかに次の点が変更されています。

・通常枠の補助金上限額の変更

・売上減少要件の変更

・最低賃金枠、大規模賃金引上枠の新設

○スケジュール

事業再構築補助金の第3回公募は、次のような日程となっています。

申請受付:2021年8月下旬から2021年9月21日18時まで

採択発表:11月中旬~下旬頃の予定

○通常枠の補助金上限額の変更

これまで、通常枠の補助金上限額は6千万円でしたが、今回の公募では従業員数に応じて、次のように補助金上限額が変わります。

[従業員数20人以下] 4千万円

[従業員数21~50人] 6千万円

[従業員数51人以上] 8千万円

従業員数が51人以上の企業にとっては、補助金上限額が上がることになります。

補助率は、次のようになっています。

中小企業: 2/3 (6千万円を超える部分は1/2)

中堅企業:1/2 (4千万円を超える部分は1/3)

○売上減少要件の変更

事業再構築補助金は、新型コロナウイルス感染症によって業績に影響を受けた企業を対象としており、申請にあたっては、次のような売上減少要件が設けられています。

・2020年4月以降の連続する6カ月間のうち、任意の3カ月の合計売上高が、コロナ以前(2019 年または2020年1月~3月)の同3カ月の合計売上高と比較して 10%以上減少

・2020年10月以降の連続する6カ月間のうち、任意の3カ月の合計売上高が、コロナ以前(2019 年または2020年1月~3月)の同3カ月の合計売上高と比較して 5%以上減少

⇒たとえば、2020年11月、12月、2021年2月の合計売上高が、前年の各月(2019年11月、12月、2020年2月)の合計売上高より10%以上減少していれば、どちらも満たすと考えられます。

また、売上高がこの減少要件を満たさない場合、次のように付加価値額の減少要件で代替できることになりました。

・2020年4月以降の連続する6カ月間のうち、任意の3カ月の合計付加価値額が、コロナ以前(2019年または2020年1月~3月)の同3カ月の合計付加価値額と比較して15%以上減少

・2020年10月以降の連続する6カ月間のうち、任意の3カ月の合計付加価値額が、コロナ以前(2019年または2020年1月~3月)の同3カ月の合計付加価値額と比較して7.5%以上減少

付加価値額とは、営業利益、人件費、減価償却費を足したものをいいます

比較する期間の考え方がやや複雑ですので、売上高減少要件や付加価値額減少要件を満たすかどうか不安なときは、事業再構築補助金の事務局に確認されることをお勧めします。