産業雇用安定助成金は、新型コロナウイルス感染症の影響で売上高や生産量などが減少した事業者が、従業員の雇用を守るために人手不足等の企業との間で雇用シェア(在籍型出向)を活用しようとする場合に助成する制度です。新型コロナウイルス感染症の影響が続く中で、新たに創設されました。どういう制度か、どのようなときに利用できるのかをご説明します。
■雇用調整助成金との違い
雇用維持を支援する制度として、雇用調整助成金があります。雇用調整助成金は、雇用を維持するための休業や出向を実施する際の休業手当を助成します。休業だけでなく出向の場合も助成対象になりますが、出向元に対する助成のみとなります。産業雇用安定助成金は、出向元と出向先の双方に助成金が支給される点が大きな違いです。
■産業雇用安定助成金の概要
産業雇用安定助成金は、コロナの影響により事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業主が、「在籍型出向」により労働者の雇用を維持する場合に、出向元と出向先の双方の事業主に対して助成する制度です。
〇対象となる「在籍型出向」
在籍型出向は、出向元と出向先における出向契約によって、労働者が出向元・出向先の企業の双方と雇用契約を結んで、一定期間継続して勤務することをいいます。出向期間終了後は出向元に戻って働くことを前提とします。
なお、出向元と出向先の両方で勤務する「部分出向」も、この助成金の対象となります。ただし、出向先で勤務する日数が所定労働日数の半分以上とする必要があります。
厚生労働省「在籍型出向支援」ホームページより