制約条件の同異

テレビが誕生してまもなく60年。You Tubeが生まれて17年。

内容に多少の差はあれ、動画を配信するという同じ性質を持つ一方、提供者の数や受信機能などのハードウェア的な「制約条件」にはもう少し明確な違いがあります。

 

ご存知のとおり、テレビ局には放送免許という高い参入障壁があり、新規開局はそうそうありません。(民放地上波では1999年のとちぎテレビが最近)

現在日本おけるテレビ局は、NHK、民放合わせて118。そのうち、フジテレビなどのキー局が5、朝日放送などの準キー局が10。残り113が地方局です。

プレイヤーが決まっていることで、提供されるコンテンツの種類、ボリュームも自ずと決まります。一方、YouTubeにプレイヤー数の制限はありません。今後も増加の一途を辿るでしょう。

 

受信機能の制約も同様です。テレビはチューナーが必須ですが、You Tubeは、スマホ、タブレット、パソコンなどインターネットにつながればOK。1人で複数台視聴も可能で、さらに視聴場所も選びません。今後誕生する新しい端末もここに加わるでしょう。

一方で、両者は同じ制約条件も抱えています。利益の源泉である広告収入の母数です。

先日、広告業大手の電通が発表した「2021年 日本の広告費」(https://www.dentsu.co.jp/news/release/2022/0224-010496.html)によると、インターネット広告費がマスコミ4媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)の合計を超え、全体の40%を近くにまで占めるに至ったとのこと。

一見、広告全体の総量が増えたようにも感じますが、2019年6.9兆円、2020年6.1兆円、2021年6.7兆円とコロナ禍前を超えるには至っていません。一説にはYou Tubeも2028年ごろには飽和するとも言われており、広告収入ではなく、別のマネタイズに切り替え始めているコンテンツも登場しています(コンテンツ内での商品販売など)。

動画コンテンツに取り組む前に

いずれ天井に達するリスクがあるとはいえ、現時点で動画コンテンツがビジネスに欠かせないツールであるのは明らかです。

とはいえ、闇雲に発信してもうまくいきません。これは動画であっても文字情報であっても同じことが言えます。

なにより、まず念頭におきたいのが「差別化」。そのために力を発揮するのが第45回でご紹介した「切り口」(https://kaikeizine.jp/article/28466/)です。コンテンツにとって、切り口は生命線とも言える重要な観点です。

 

例えば、現在大きな話題を呼んでいる大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。

大河ドラマ=シリアス、真面目という概念を覆し、現代風のコメディ要素が随所に散りばめられています。まさに三谷幸喜さんオリジナルの世界観、切り口があり、これまでの大河ドラマとは見事に一線を画しています。

 

切り口は、後発であればあるほど、既存との比較によって大きく光るチャンスを秘めています。今、動画コンテンツを検討しているなら、意外な観点や要素を取り込めないか、ぜひ考えてみてください。想像を超えるような結果につながるかもしれません。


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