■日税連の提案がなされたインボイス制度の背景は
提案はいずれも、免税事業者や少額の取引の事業者の状況を配慮したために行われた模様です。
- ●免税事業者にインボイスの負担は大きい
インボイス制度は「免税事業者に『課税事業者になれ』と促す制度」です。ただ資金繰りなどの問題から、課税事業者になれないところもあるでしょう。また、税負担だけでなく事務負担も重いものです。適格請求書発行や保管だけでなく、正しい消費税の申告も一般納税者には酷かもしれません。
とはいえ、免税事業者のままだと取引から排除されるリスクはあります。請負側を守る法律として下請法や独占禁止法がありますが、いずれも「知って使ってこそ初めて効用が生まれる」ものです。知らずに取引から排除され、泣いて終わるケースは少なくないのが現実です。
- ●課税事業者である大企業や上場企業にも悪影響
インボイス制度は、中小の事業者だけの問題ではありません。大企業や上場企業にもあります。振込手数料一つひとつに適格請求書を発行すると、膨大なコストになります。保管するだけでなく、発行する方も大変です。
■提案が実現したときのメリット
日税連の提案が実現されたらどうなるのでしょうか。ここでメリットを確認しましょう。
- ●取引の維持
「80%控除が当面維持」となれば、多数の免税事業者フリーランスと取引している企業は、ほぼこれまで通り事業を継続できるようになるはずです。免税事業者も取引先の顔色をうかがったりせず、免税のまま仕事を続けられる可能性が高くなります。
- ●事務負担の軽減
「3万円未満は帳簿保存のみ」となれば、事務負担は確実に減ります。モノやサービスを提供する側は、少額取引にいちいち適格請求書を発行しなくて済むのです。購入側も、請求書保存の手間と不安から解放されることになるでしょう。



