社会情勢・経済の悪化で、金の取引価格が上がっている。今売却すれば、税金はどうなるのか。金を消費税8%のときに購入していれば、実は税金でも恩恵がある。

金価格が高騰
新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の鈍化に輪をかけて、ロシアのウクライナ進行が、世界経済をさらに悪化させている。そうした中、金価格が高騰している。「有事の金」と言われ、振り返れば米中貿易摩擦が激化した2018年秋も、現物の裏付けを持つ金に着目した買いが動いた。
金が高騰する理由はさまざまあるが、経済不安や金融不安などから上昇することが多い。とくにインフレ懸念の高まりによって、金価格の高騰を招くことが多く、一方でデフレになると金が暴落する可能性が高くなる。
金相場は先日、アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会が0.75パーセントの大幅な利上げを決めたことを受け、オーバーナイト取引時間後に僅かに上昇。投資家が債券への投資に移行し、国債利回りが再び低下したため、金価格が上昇する可能性が広がった。5年物国債の利回りは0.21パーセント低下し、米ドル相場の風向きを変え、米ドル指数(DXY)は0.5パーセント以上下落した。ドル安と米国債金利の低下は、金投資の魅力を際立たせる一助となった。
日本においては、6月13日に店頭小売価格1グラムあたり8968円で9000円に迫る勢いも見せたが、その後は1グラムあたり8800円前後(6月21日現在)で取引されている。
コロナ禍前の2018年末には4500円前後で取引されていたことから、4年で4000円以上高騰したことになる。
そのため、最近では金価格が高騰しているうちに売却してしまおうという人も少なくない。TVのワイドショーなどでも、東京・銀座の金買取店に奥様方が金のネックレスや指輪などを売却し、「思ったよりも高く買ってくれた」と喜ぶ映像がよく放映されている。