雑所得ではなく事業所得なら税の恩恵がある

ここで少々長くなるが、事業所得になれば税の恩典も多いのでザックリと解説する。

事業所得には主に次の取扱いが認められる。

  • 給与所得等、その他の所得との損益通算(事業の赤字が、給料などの所得から控除できる)
  • 純損失の3年の繰越し、繰り戻し
  • 青色申告特別控除
  • 青色申告専従者給与(家族従業員に支払う給料も経費OK)
  • 30万円未満の少額資産の一括経費算入
  • 事業所得に認められる各種優遇税制の適用

など。これらは雑所得では認められない。

では、この事業所得の「事業」とは、どのような物差しで決められるのだろうか。

国税当局によると、「自己の計算と危険において営利を目的として対価を得て、継続的に行う経済活動」のことであると。
ただ、事業であるか否かの基準は必ずしも明確でなく、最終的には「社会通念にしたがってこれを判断する」としている。

例えば、

  • 営利性
  • 継続性・反復性の有無
  • 自己の危険と計算における事業遂行性の有無
  • 取引に費やした精神的・肉体的労力の程度
  • 人的・物的施設の有無
  • 取引目的
  • 事業を営む者の職歴・社会的地位・生活状況

など。これらを総合勘案して、社会通念「事業」といえるか否かを判断する。

個人事業主になるためには、税務署への「開業届」の提出が必要となる。

必要経費が増えれば納税額は減るが…

副業にしても、個人事業主にしても、事業に掛かった「必要経費」は、所得から差し引くことができる。
つまり、必要経費が多ければ、所得は低くなり、納める税金が少なくなる。

「総収入金額」–「必要経費」=所得

原則、副業で年間20万円以上を稼いだら確定申告が必要になるが、注意すべきは、必要経費で落とせば納める税金が少なくなることから、何でもかんでも必要経費にしてしまうこと。
個人事業主の場合も同じだ。

基本的に必要経費にできるのは、所得を得るために直接要した費用だけ。
物販業の仕入代金など、収入に直接関連する費用や通信費や交通費など営業活動等に要した費用も含まれる。

今や、多くの場合、副業にパソコンは必需品だが、仕事のためにパソコンを購入したのなら、当然パソコンも必要経費として計上することができる。

気を付けなければいけないのは、パソコンの取得代金。パソコンの購入金額が10万円未満の場合は、必要経費として一括で処理できるが、原則、10万円以上の備品などは、個人の場合、毎年、取得金額の一定割合を減価償却費として経費計上する。
設備によって何年で経費計上するのかが決まっており、これを法定耐用年数という。パソコンの場合は4年だ。

また、購入金額が10万円以上20万円未満なら、減価償却の特例で法定耐用年数より短い3年間で償却することも可能だ。

このほか、通信費や交通費、接待・交際費、消耗品をはじめ、家賃や電気代なども事業に掛かった分なら必要経費にできる。

個人事業主の場合は、前述した30万円未満の少額資産の一括経費算入など、所得から差し引ける幅が広がる。