例年通り8月上旬の8月2日~4日に、令和4年度(第72回)税理士試験が15都道府県20会場で実施されます。試験会場となる都道府県が3府県、会場が1会場増えての実施です。今年の受験者は、コロナの感染者数が激増する中での受験となり、一層の体調管理が求められる厳しい戦いとなりそうです。

1. トレンドの変化?2年連続の受験者数増に

全体の受験申込者数

■受験申込者数

■受験地別受験申込者数

国税庁ホームページ:「令和4年度(第72回)税理士試験 受験申込者数(科目別・試験地別)」を参考に筆者作成

受験者数は前年比103.0%増の3万6852人です。2年連続の受験者数増となりました。

受験地別にみると、前年はコロナ流行地での受験が忌避される傾向にありましたが、今年は全国的に満遍なく流行しているため大都市での受験者を中心に受験者が増えています。

なお、今年から群馬県・神奈川県・京都府が受験地として追加されています。

埼玉県が受験者数減となったのは、前年は東京都を避け埼玉県での受験者が増えたものの、今年は埼玉県・群馬県で受験地を選べないため、群馬県から遠い首都圏の受験生が忌避したためとみられます。

科目別受験申込者数

国税庁ホームページ:「令和4年度(第72回)税理士試験 受験申込者数(科目別・試験地別)」を参考に筆者作成

科目合格していることで就職・転職に有利になる、簿記論・財務諸表論の受験者数が増えています。

全体の受験者数が増えながら、ほとんどの税法科目で受験者数が減少しているのは、大学院修了によって税理士試験の免除を受ける人のほとんどが税法科目の免除を選ぶためとみられます。

また、来年度試験から、簿記論・財務諸表論の受験資格の制限がなくなり、誰でも受験が可能となります。

そのため、簿記論・財務諸表論に限って言えば、さらなる受験者数増が見込まれます。

税法科目の受験者数は、法人税法と所得税法では法人税法の方が受験者数が多く、その他税法科目の受験者数は、消費税法、相続税法、国税徴収法、固定資産税、酒税法、住民税、事業税―という順序に変化はありません。

試験時間が同じである、住民税・事業税のうち事業税の受験者が大幅に減り、その分住民税の受験者が大幅に増えました。

住民税合格率が、令和元年度(第69回)19.0%、令和2年度(第70回)18.1%と高かったことが一因かもしれません(令和3年度(第71回)は12.7%)。