新企画、「駐在妻 ドイツからの便り」。第2回目は、「ゆりかごから墓場まで」と評される社会保障制度で有名なスウェーデンの国税庁を見てきてもらいました。

フィンランド→スウェーデン間は船で移動。街がそのまま入ったような豪華客船に、「超時空要塞マクロスみたい」と古いアニメを持ち出す夫

「世界一美しい首都」の二つ名にふさわしいストックホルム

ドイツから北欧旅行へと旅立ったハイタ一家。フィンランドの首都ヘルシンキを後にし、次なる目的地、スウェーデンの首都ストックホルムへ向かいます。

今回の旅では、ヘルシンキからストックホルムまでは客船での移動です。

タリンクシリヤラインという会社が毎日ヘルシンキ・ストックホルム間に豪華客船を就航させています。HP(www.tallinksilja.com/ja/web/int/japanese)からさくっとチケットを押さえることができました。

今回の旅行に限らず航空券や宿は全てネットで取っています。航空券はエクスペディアで各種航空会社を比較しながら取り、宿はBooking.comで、レンタカーはRentalcars.comで……。ひと昔前じゃ考えられないほど、海外個人旅行の敷居は下がっていますね。

ストックホルムは「世界一美しい首都」と呼ばれているそうですが、建物がとにかく重厚感にあふれ、ヨーロッパの他のどの街とも違う美しさを持っています。

重厚感ある建物が立ち並ぶ街並み

スウェーデン国税庁に着いた!……えっ違うの?

今回の旅の主な目的はもちろん国税庁探しです。

しかしフィンランド編と違い、スウェーデン編は非常に余裕を持って臨んでいます。何せネットを駆使してばっちりその住所を押さえていますからね。

東京税理士会が以前マイナンバー制度等の視察のためスウェーデン国税庁を訪れていたようで、そのレポート(http://www.tokyozeirishikai.or.jp/common/pdf/tax_accuntant/international/se_kensyusisatuhoukokusyo.pdf)にスウェーデン国税庁の住所が載っていたのです。ありがたや。

Google マップにストリート名を入力するとストックホルムの中心部にあるじゃないですか。観光がてら楽々行けるよ!

しかし、「よし着いた!」と思ったら――そんな建物はない。右を見ても左を見てもない。

今回の旅行はこんなのばっかり。

なんと、市が違っていました。スウェーデン国税庁はストックホルム市内には位置しておらず、ゾルナという街にあるらしい。今いるのは、たまたま同名の全く別の通り。国税庁となれば首都にあるはず、と完全に思い込んでいました。

「ここから500km先とかだったらどうしよう?」と恐れおののきましたが、調べてみたら何のことはない、ストックホルムの隣の市ではありませんか。日本と違い、諸外国では首都機能を分散しているのは割と普通です。地下鉄で行ける場所なので、サクっと移動。

スウェーデンの地下鉄は近未来的
国税庁のすぐ近くにあった「海岸寿司」。スウェーデンも寿司ブーム中

スーツを着た人皆無なスウェーデン国税庁

ストックホルム市内中心部から地下鉄に30分ほど乗ると、スウェーデン国税庁の最寄り駅に到着します。駅からは歩いて5分ぐらいでしょうか。全く官公庁街の雰囲気のない、住宅街の真ん中にスウェーデン国税庁は佇んでいました。

とても新しい建物で、サイズはそんなに大きくはなく、地上5階建て程度。セキュリティはさすがにしっかりしているようで、入り口にはIDゲートが設置されています。

あまり人の出入りはないのですが、外の喫煙所で一服している職員らしき人の服装はとてもラフ。男女共に、スーツを着た人など見ません。ただこれはヨーロッパ全般に言えることで、証券や銀行、金融関係などの一部のビジネスマンしかスーツは着ていません。公務員でスーツを着ている人は、今のところ見たことがありませんね。

高税率に支えられた高福祉国家・スウェーデンの国税庁は、「威厳がある」というよりはどこか庶民的なにおいの漂うものでした。

これがスウェーデン国税庁だ!

北欧の中で最大の人口とGDPを誇るスウェーデン。街の規模一つとっても、ストックホルムは「大都会」というにふさわしいサイズです。

スウェーデン発祥の企業といえば、ファストファッションならH&M、家具ならイケア、車ならボルボと一般市民にとってもなじみ深いものがすぐに思い浮かびます。

失業率が7.9%(2014年、若年層に限れば20.3%)と高い水準にありますが、高い経済成長率を維持しているため今後改善傾向にあるそうです(外務省HPより)。

 

今回、生まれて初めて「国税庁訪問」を目的に国外旅行をしたわけですが、国税庁の所在地が中々出てこず、意外に苦労させられました。日本の国税庁所在地は、HPにさえアクセスできればすぐ分かるのに!

一般市民にとって、国税庁に行く用事というのは中々発生しないので、情報が公にされていないのは当たり前なのかもしれません。実際訪れてみても、とてもじゃありませんがアポなし一般市民が中に入れるような作りにはなっていませんでした。

次回は今筆者が住んでいるフランクフルトの税務署に突撃してこようと思います。お楽しみに(?)。