好評連載「駐在妻 ドイツからの便り」。第4回目は、言わずと知れた世界有数の観光地、フランスの首都、花の都パリからお届けします。

パリの再開発地域に位置するフランス国税庁
フランスの首都、花の都パリ。言わずと知れた世界有数の観光地です。
シャンゼリゼをそぞろ歩き、凱旋門に登り、エッフェル塔を眺め、ルーヴル美術館で美術の真髄に触れ、ちょっと足を延ばしてヴェルサイユ宮殿でその豪奢さに酔い――と、パリ観光といえば定番コース一つとっても枚挙にいとまがありません。

そんな一大観光都市パリですが、国税庁探訪としゃれ込むのもまたオツなもの。
税大ジャーナル第9号掲載のレポート「フランスの税務行政と税制の概要」によれば、フランス税当局は長らく、賦課部門と徴税部門が別組織という非効率なものだったそうです。この2部門は、つい10年ほど前の2008年に統合されたばかりと、比較的近年大きな組織変更を行っており、統合後の組織名を「公共財政総局(Direction Générale des Finances Publiques、DGFiP)」といいます。なお本項では、以下「フランス国税庁」とさせていただきます。
フランス国税庁は、部門ごとにパリ市内に点在しているようですが、そのうちの一つはパリ市内の再開発地域であるベルシー地区にある、財務・公会計省(日本でいうところの財務省)内に所在しています。
在りし日のベルシー地区は、ブドウ畑が広がりワイン倉庫が並ぶパリの中の田舎だったそうです。近年再開発が進んで、新しいランドマークが次々できたのだとか(「地球の歩き方 フランス’13-’14」より)。ベルシー地区にあるショッピングアーケード「ベルシー・ヴィラージュ」は、原則的に日曜定休なフランスの店舗の中で、日曜日でもやっているという特色を持っています。フランス国税庁、暇な日曜日に買い物ついでに来訪するのにもってこいです。
国税庁の周りは警察がバリケードを築く厳戒態勢…と思ったら
最寄りの地下鉄駅は国税庁の目の前に位置しています。
さぁ国税庁を見るぞ!と地下鉄から地上に出ると、なぜかあちこちにバリケードが築かれた厳戒態勢!

何が起きたのかと思えば、この日は国税庁のすぐ向かい側にあるベルシー・アリーナという体育館でハンドボールの国際大会があるからでした。
ハンドボールはフランスで比較的人気の高いスポーツのようで、スタジアム周りは代表ユニフォームをまとったウキウキの観戦者で溢れかえっています。
と同時に、辺りには警察官・警察官・警察官、警察官の山。
昨今テロの脅威に晒されている欧州では、スポーツの国際大会など人が大勢集まるイベント開催時には超厳戒態勢が引かれるのが常です。
あちこちキープアウトされ、拳銃どころかサブマシンガンを構え重装備に身を固めた警察官が警邏しています。
東京オリンピック開催の暁には、日本でもこういった光景が繰り広げられるのでしょうか。