個人事業主の個人事業税の計算方法

個人事業税(所得割)は、個人事業主が営む事業に対して課される地方税です。

これは市町村や都道府県が徴収する税金であり所得税とは別に納める必要があります。

課税所得に一定税率を乗じる

個人事業税は、基本的に課税所得に対して一定税率を乗じることで計算することができます。

また、個人事業税は地方税なので、都道府県ごとに税率は異なります。

ここでは東京都の税率を紹介していきます。

(引用: 個人事業税 | 税金の種類 | 東京都主税局

個人事業税の税率はどうやって決まっている?

個人事業税は個人事業主が地域で事業を行うことによって得られる所得に対して課せられます。

個人事業主が運営する事業に対して、地方税法などで規定された業種(法定業種)に適用される税金です。

うえで説明したように、現在、法定業種は70種類が存在し、大部分の事業がこれに該当します。

個人事業主の住民税の計算方法

個人事業主が支払わなければならない税金は、所得税だけに限られません。

確定申告が完了した後、自分が居住している市区町村から送られてくる納税額の通知書に従い、住民税も支払う必要が生じます。

住民税は、個人事業主が確定申告で提出したデータを基に、市区町村が計算し、請求される税金です。

所得税とは異なり、個人事業主が自分で納税額を算出する必要がないため、税額の計算基準が分かりにくく、馴染みが薄いと感じる人が多いかもしれません。

このため、住民税について理解しておくことは、個人事業主にとって重要です。

住民税は、市区町村が運営する施設やサービスの資金として使われるため、地域社会への貢献となります。

前年度の課税所得で住民税額は毎年変わる?

住民税額は、前年度の課税所得額に応じて毎年変わります。

あとでも説明するように、住民税は、都道府県民税と市町村民税の合計額で構成されており、以下の2つの部分からなります。

  • 所得割
  • 均等割

それぞれの計算方法について説明します。

所得割の計算方法

所得割は、前年の1月1日から12月31日までの所得に基づいて計算されます。

まず、総所得金額から所得控除(基本控除、扶養控除など)を引いて課税所得を求めます。

次に、課税所得に対して所得割の税率(10%)をかけることで所得割の住民税額が算出されます。

例:課税所得が500万円の場合

所得割の住民税額 = 500万円 × 10% = 50万円

均等割の計算方法

均等割は、所得に関係なく一定額の負担が求められる部分で、通常以下のように定められています。

  • 市町村民税:3,500円
  • 都道府県民税:1,500円
  • 住民税の合計額は、所得割と均等割を足して求めます。

例:上記の所得割の住民税額が50万円の場合

住民税の合計額 = 50万円(所得割)+ 3,500円(市町村民税の均等割)+ 1,500円(都道府県民税の均等割)= 50万5,000円

このように、所得割と均等割を加算して住民税の合計額を求めます。

ただし、各自治体によって均等割の金額が異なる場合があるため、具体的な金額は住んでいる市町村の税務課に問い合わせることが望ましいです。

所得割と均等割

個人住民税は、所得に基づく負担を求める「所得割」と、所得に関係なく一定額の負担が求められる「均等割」の2つの部分で構成されています。

所得とは、企業から得られる給与や事業から得られる利益などの収入のことを指します。

所得割は、所得に対して一律で10%の税率が適用されます。

この税額は、前年の1月1日から12月31日までの所得に基づいて算定されます。

一方、均等割は、個人住民税が地域社会への会費のような性格を持つことを反映したもので、通常5,000円(市町村民税3,500円、道府県民税1,500円)が定められています。

この部分は、所得に関係なく全ての個人が支払うことになる定額の税金です。

また、道府県民税には、所得割と均等割に加えて、特定の株式やその他の資産によって得られる利益に対して課税される「利子割」、「配当割」、「株式等譲渡所得割」といった税金も存在します。

これらは、投資や資産の利益に関連する税金であり、所得割や均等割とは別に考慮されるものです。

個人事業主の消費税の計算方法

消費税の納付額は、課税期間中の課税売上高に対して適用される消費税率(通常税率の場合は7.8%、軽減税率対象取引の場合は6.24%)を掛けた金額から、課税仕入高に対して適用される消費税率(通常税率の場合は110分の7.8、軽減税率対象取引の場合は108分の6.24)を掛けた金額を差し引いて算出します。

課税期間は、一般的に個人の場合は1月1日から12月31日までの1年間、法人の場合は事業年度となります。

ここでの「課税売上高」は、消費税および地方消費税に該当する金額を含まない税抜き価格を指します。

消費税の納付額 = 課税期間中の課税売上に関する消費税額 – 課税期間中の課税仕入れ等に関する消費税額

個人事業主には消費税はかからない?

消費税においては、課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者について、その課税期間における課税資産の譲渡等に関連する納税義務が免除されることがあります。

そのため、課税売上高が少ない個人事業主については消費税を納める必要はありません。

ただし、課税期間の基準期間において課税売上高が1,000万円以下であっても、特定期間内における課税売上高が1,000万円を超過する場合、その課税期間から課税事業者として取り扱われます。

また、特定期間内における1,000万円の基準は、課税売上高の代わりに給与等支払額の合計額によって判定することも可能です。

※特定期間とは、個人事業者の場合は前年の1月1日から6月30日までの期間を指し、法人事業者の場合は、一般的にその事業年度の前事業年度開始日から6カ月間を指します。

インボイス制度で消費税の計算は変わる?

課税売上高が少ない個人事業主については、消費税の納税義務が免除されていました。

しかし、インボイス制度が始まることで、個人事業主の消費税の取り扱いが変わることになりました。

インボイス制度とは、消費税の課税方法を改善するために導入される制度で、請求書(インボイス)に消費税額を記載することで、企業間の取引において消費税の支払いや還付をより効率的かつ透明に行うことができるようになります。

現行の消費税制度では、企業が取引先からの支払いに対して消費税を支払い、その後、売上に対する消費税と仕入れに対する消費税の差額を国に納税する仕組みとなっています。

しかし、この方法では消費税の計算が複雑であり、また税金の透明性が低いという課題がありました。

インボイス制度では、請求書に消費税額が明示されるため、企業間取引における消費税の取り扱いが明確になり、税務管理が容易になります。また、誤りや不正な取引を防止する効果も期待されています。

インボイス制度が導入されることで、個人事業主の方は、課税売上高が1,000万円以下であっても納税しなければならないケースがあるので注意してください。

インボイス制度と個人事業主の関係性については以下の記事で詳しく解説しています。

【参考記事】

個人事業主は消費税を納めなくていい?インボイス制度との関わりも解説

まとめ

個人事業主の方は様々な税金を支払わなければなりません。

税金の計算は複雑であるため、自分自身で行うよりも税理士のような専門家に任せたほうが安心です。

特に、近年ではインボイス制度の導入が始まるということもあり、帳簿の整理や証憑の作成などが個人事業主の方にとっては急務となっています。


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