消費税は「消費税がかかる取引」を基準に計算
よ「消費税は?さっき、ややこしい図を見たけれど」
ま「消費税は所得税ほどざっくりじゃないのよ。まず、収入や経費を分けていかないといけないの」
よ「わける?どんな感じ?」
ま「国内での収入だと、こんな感じ」
よ「何これ、むずかしい…」
ま「要は『消費税がかかっている取引だけをより分ける』ってことよ。消費税がかかるのは、基本的にモノやサービスの売買だから。単なる寄付とか補助金は消費税の課税対象にならない取引。不課税取引ね。あと、居住用アパートの賃貸料も消費税がかからない。こっちは非課税取引になるの」
よ「ひぇぇ。めんどうくさい」
ま「これは売上の方だけど、仕入の方も似たような感じで分けていくのよ。仕入といっても、商品仕入とかだけでなく、外注費とか通信費とかの経費も含めるんだけど。課税仕入れだけをピックアップするの」
よ「なるほどね」
ま「よっちゃんの所得でいうと、売上はぜんぶ10%の課税売上になる。よっちゃんのサービスの対価だから。でも仕入はちょっと注意ね。入管での手続きのときに必要な印紙代は消費税が非課税なの」
よ「これで差額の消費税を10%とか8%とかで計算していく感じ?」
ま「それも違う。『10%』『8%』というのは、国への消費税と地方への消費税を足した割合なの。申告のときは、最初に国に納める消費税を算出して、そこから地方に納める消費税を計算していくの。おおまかな流れはこんな感じ」
1. 国に納める消費税を計算する
(1)預かり消費税を計算する
1 課税標準額を計算する
課税売上高(税込)×(100/108または100/110)=課税標準額(1000円未満切捨)
2 課税標準額から預かり消費税を計算する
課税標準額×(6.24%または7.8%)=預かり消費税額
(2)支払消費税を計算する
課税仕入高の合計額(税込)×(6.24/108または7.8/110)=課税仕入れに係る消費税額(支払消費税額)
(3)国に納める消費税額を計算する
(1)-(2)=国に納める消費税額(100円未満切捨)
2. 地方に納める消費税を計算する
1. の国に納める消費税額×22/78=地方に納める消費税額(100円未満切捨)
【参考】令和4年分 消費税及び地方消費税の確定申告の手引き 個人事業者用(一般用)「確定申告の流れ」を一部加工して作成(国税庁)
消費税は申告と納税の期限も違うので注意
よ「不安になってきた。自力でできないかも」
ま「あと、消費税の確定申告の期限は3月15日じゃないからね」
よ「え?そうなの?早いの?」
ま「逆。遅いの。3月31日。この日が申告と納税の期限」
よ「来年から2つ、税金の〆切を気にしなきゃいけないんだよね。間違えそう」
ま「とりあえず両方とも3月15日までに終わらせればいいんじゃない」
よ「えー…自信ない。今年もギリギリだったしさ。間に合わなかったらどうしよう」
ま「大丈夫。例年通り、期限が近くなったら、わたしが鬼になってドヤすから」
よ「怖っ。気をつけよっと」
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