国税OB税理士が監修。公認会計士・税理士・会計事務所・企業経理担当、税金・会計に関わる“会計人”がいま必要な情報をお届けします!

会計人ニュース

注目キーワード

国税庁のマル秘富裕層定義基準 東京、大阪、名古屋で重点調査

税務署から富裕層が目の敵にされている。そんな気にさせられる最近の課税当局の動きだ。東京国税局をはじめ、一部国税局には、富裕層だけを狙った専門チームが設けられ、厳重な調査が行われる。富裕層調査は、インパクトが強いため、見せしめ的要素も強いが、国税庁の調査重点目標にも盛り込まれている。その富裕層だが、どこから富裕層と位置づけられるのだろうか・・・。

最近、「富裕層」という言葉をよく耳にする。いわゆる、あり余るほどの「お金持ち」のことだ。昔からある言葉だが、バブル経済以前は一般ではあまり使わなかった。それだけ、日本も格差社会になり、富裕層に対する憧れ、嫉妬が渦巻いているのだろう。よく考えてみるとこの富裕層、どこからが富裕層に線引きされるのだろうか。
課税当局では、税務調査を実施するに当たり、この富裕層なる人たちを厳密に色分けしている。最近、話題になったのが、9月3日付け日本経済新聞朝刊「国税照準か『富裕層2万人』 10のマル秘選定基準 課税強化でにらみ合い」の記事だ。
そこでは、課税庁の富裕層基準として
1、有価証券の年間配当4千万円以上、
2、所有株式800万株(口)以上、
3、賃金の貸付元本1億円以上、
4、貸家などの不動産所得1億円以上、
5、所得合計額が1億円以上、譲渡所直及び、
6、譲渡所得及び山林所得が」の収入金額10億円以上、
7、取得資産4億円以上、
8、相続などの取得財産5億円以上、
9、非上場株式の譲渡収入10億円以上、または上場株式の譲渡所得1億円以上かつ45歳以上の者、
10、継続的または大口の海外取引がある者、または1~9の該当者で海外取引があるもの
―とある。

日経の記者は、複数の国税OB税理士から情報を集めたというが、この基準はどこまで信憑性があるのだろうか。どうしても自身で調べたくなるのが記者の性質。小生も複数の国税OB税理士などを中心に情報を集めてみた。
以前、同じような取材をしたとき、かなり口の重かった先生方も、この日経記事が出たことで色々と話してくれた。要は、情報公開されたので、元公務員としての守秘義務を気にせず話せる範囲が広がったのだ。
紙面には、情報公開したと思われる内部資料の写真が掲載され、重要項目は黒塗りされている。この黒塗りの部分こそ、この富裕層基準項目なのだが、ほぼこの内容通りだ。超富裕層になってくると、東京国税局なら課税1部資料調査課で調査する。日本の大物政治家も容赦ない。
富裕層に対する調査は年々厳しくなっており、平成26年からは東京、大阪をはじめ名古屋の各国税局には、富裕層だけをターゲットにしたチームが出来上がっている。

著者: 宮口貴志

KaikeiZine編集長

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。現在は租税研究会の事務局長であり、会計事務所ウオッチャーとしても活動。
■税と経営の顧問団租税調査研究会
https://zeimusoudan.biz/
■KaikeiZine
https://kaikeizine.jp/

ページ先頭へ