本記事では税理士試験の受験資格要件を解説します。令和4年度の税制改正で税理士試験の受験資格要件は大幅に緩和されました。今回の緩和措置は税理士試験を受験する若い人たちを増やすことを目指したものです。
この記事の目次
令和4年度の税法改正で税理士試験の受験資格要件は緩和された
令和4年度に実施された税法の改正によって、税理士試験はより若年層の方が受験しやすい環境が整いました。
令和4年度の税法改正により多くの受験生が早期に試験を受験できるようになり、税理士という税の専門家としてのキャリアを追求する道が開かれたのです。
今回の受験資格要件の緩和は、税理士への道を開くことで税務知識と専門性を持つ人材の供給を増やすことを目的としたものとなっています。
以下では、令和4年度の税法改正の詳細について解説します。
会計学科目の受験資格要件の撤廃
特に注目すべき改正の一つは、会計学に属する科目の受験資格要件の完全な撤廃です。
税理士試験において会計学科目(簿記論・財務諸表論)を受験するためには、日商簿記検定試験1級または全経簿記検定試験上級に合格している必要がありました。
しかし、令和4年度の税制により、会計学に属する科目は資格を問わずに誰でも受験することが可能になりました。
この変更は、会計の基本に関する知識や技能を持つが従来の要件を満たしていなかった多くの有能な個人に門戸を開くものです。
税法科目の受験資格要件の緩和
同様に、令和4年の税制改正において、税法に属する科目に関しても受験資格要件が緩和されました。
以前は特定の教育的背景や職歴が必要でしたが、改正後はさまざまな学識、資格、職歴を持つ人々が受験資格を得られるようになりました。
例えば、社会科学に属する科目を1科目以上履修した大学又は短大の卒業者、一定の専修学校の専門課程を修了した者、または特定の職歴を有する者などが税法科目の受験資格を得ることができます。
従来の制度のもとでは、特定のバックグラウンドがないと税理士を目指すこともできませんでした。
たとえば、大学において理系に属する学部に所属していると、税理士を目指すことは難しかったのです。
しかし、近年では様々な専門的バックグラウンドを持つ税理士が求められていることから、今回の税制改正によって多様なバックグラウンドを持つ人々が税理士の道を目指せるようになりました。
税理士試験受験資格要件の緩和はいつからスタート?
これらの緩和措置は、令和5年4月1日以降に実施される税理士試験から適用されます。
今回の改正は、税務専門職に関心があっても従来の制度下では受験資格を得ることが困難であった多くの人々にとって、重要な機会の提供を意味しています。
新しい税理士試験制度は、税務のプロフェッショナルとしてのキャリアを積みたいと考える多様な人材を確保するものとなっていることから、税理士業界に新たな活力をもたらすとして期待されています。