税理士試験はいかに効率的・継続的に学べるかが重要です。この記事では通信講座に絞って、各講座の特長や価格を比較し、解説します。ご自身に合った学習スタイルを見つけるヒントがありますよ。

この記事の目次

長期戦となりがちな税理士試験。

効率的に学習を進めるためには、自らの勉強や生活スタイルに合った予備校・通信講座を選ぶことがなにより重要です。

今回は通信講座で学びたいというかたのために、講座の特長や受講生サポート、価格などを徹底比較。

必須の会計科目である「簿記論」と「財務諸表論」、選択必須の税法科目から「法人税法」、税法科目の中でも人気の「消費税法」「相続税法」に焦点を当てて詳しく解説します。

ぜひ、税理士試験合格の可能性を高めるための参考にしてくださいね。

通信講座別、科目別の税理士試験合格率を比較

まずは税理士試験の科目別に、各予備校の受講生における合格率と、全受験生における合格率を比較してみましょう。
各科目において、予備校を活用することで合格率が高まるのか、高まるとしてどのくらい高まるのかがわかります。

簿記論

合格率
クレアール(2023年) 35%
税理士試験の全体実績(2023年) 17%
ネットスクール(2019年) 39%
税理士試験の全体実績(2019年) 17%

(スタディング、資格の大原、資格のTAC、LEC東京リーガルマインド、資格のFIN、アガルートアカデミー、資格の大栄、東京CPA会計学院は公表無し)

財務諸表論

合格率
クレアール(2023年) 47%
税理士試験の全体実績(2023年) 28%
ネットスクール(2019年) 32%
税理士試験の全体実績(2019年) 19%

(スタディング、資格の大原、資格のTAC、LEC東京リーガルマインド、資格のFIN、アガルートアカデミー、資格の大栄、東京CPA会計学院は公表無し)

年度こそ違うものの、クレアールとネットスクールの合格率を見ると、簿記論はクレアールが全体実績の2倍、ネットスクールが2.3倍の合格率となっています。
財務諸表論は倍には届かないものの、クレアールが全体実績の1.68倍、ネットスクールが1.69倍の合格率で、必須の会計2科目は共に通信講座で学ぶことの効果が数字として表れています。

消費税法

合格率
ネットスクール(2019年) 13%
税理士試験の全体実績(2019年) 12%

(クレアール、スタディング、資格の大原、資格のTAC、LEC東京リーガルマインド、資格のFIN、アガルートアカデミー、資格の大栄、東京CPA会計学院は公表無し)

法人税法

合格率
ネットスクール(2019年) 17%
税理士試験の全体実績(2019年) 15%

(クレアール、スタディング、資格の大原、資格のTAC、LEC東京リーガルマインド、資格のFIN、アガルートアカデミー、資格の大栄、東京CPA会計学院は公表無し)

相続税法

合格率
ネットスクール(2019年) 25%
税理士試験の全体実績(2019年) 12%

(クレアール、スタディング、資格の大原、資格のTAC、LEC東京リーガルマインド、資格のFIN、アガルートアカデミー、資格の大栄、東京CPA会計学院は公表無し)

2019年のネットスクールの合格率を見ると、消費税法と法人税法は全体実績の約1.1倍、相続税法が約2.1倍の合格率で、特に予備校・通信講座で相続税法を学ぶことの効果が数字として表れています。

各通信講座の講座内容と学習サポート内容を比較

各通信講座には、特長のある講座や受講生のサポート制度があります。
その中でも特に効率的に学べる講座、受験環境を支える気の利いたサポート制度をいくつかピックアップしました。
特に講座の特長は申し込みを決める大きなポイントでしょうから、ぜひ参考にしてみてください。

特筆すべき講座内容をご紹介

通信講座 特長ある講座内容
クレアール 学習効率を重視した「非常識勉強法」
スタディング スキマ時間を有効活用できる独自講座
資格の大原 講義時間を1/3に凝縮した「時間の達人」
LEC東京リーガルマインド 簿財の1発合格が近づく業界初の「簿財横断テキスト」

クレアール

学習効率を重視した「非常識勉強法」
クレアールの「非常識合格法」は、学習範囲が広い税理士試験から合格に必要な論点のみを厳選し、高速反復練習で理解を深めることで短期合格を可能にします。
実際に以下のように一般的な予備校に比べても、総学習時間を大幅に削減できます(クレアール調べ)。

一般的な予備校 クレアール
簿記論+財務諸表論 920時間
(受講492時間+復習・習得428時間)
720時間
(受講490時間+復習・習得230時間)
法人税法 600時間
(受講258時間+復習・習得342時間)
480時間
(受講153時間+復習・習得327時間)
相続税法 460時間
(受講246時間+復習・習得214時間)
370時間
(受講125時間+復習・習得245時間)
消費税法 300時間
(受講126時間+復習・習得174時間)
260時間
(受講96時間+復習・習得164時間)

スタディング

スキマ時間を有効活用できる独自講座
「短期間で合格する人は1回の学習時間が短く、復習や問題練習の回数が多い」という研究結果が示すように、スタディングの通信講座は、スキマ時間を活用することで短期合格に近づくことができるよう設計されています。
ビデオ講座は1講座30分程度、それが5~10分程度の短い動画で構成されています。
スマートフォンなどで1問ずつ解くことができる問題練習とあわせ、通勤中や昼休み、就寝前などのスキマ時間で受講ができるのが、ほかの通信講座にはない特長です。

 

資格の大原

講義時間を1/3に凝縮した「時間の達人」
資格の大原の「時間の達人シリーズ」は、忙しい受験生の学習時間の確保をサポートします。
学習項目はそのままに、講義時間を1/3に凝縮。
教室では3時間で行っている授業を1時間の動画にして、空いた2時間を復習や問題演習などの自学自習にあてることができます。

 

LEC東京リーガルマインド

簿財の1発合格が近づく業界初の「簿財横断テキスト」
LEC東京リーガルマインドが開発したのが、業界初の「簿財横断テキスト」です。
簿記論と税務諸表論を別々に学習した場合の標準勉強時間は、計900時間になります。
LECは両科目の共通部分に着目、分析することで、講義時間や教材のむやみな削減ではなく、2科目同時合格のための「効率化された講義」を実現しています。

 

おすすめの受講生サポートをご紹介

通信講座 特長あるサポート内容
ネットスクール 受講生同士の交流や講師への相談がしやすく、モチベーションを維持しやすい「学び舎」
スタディング AIを活用した学習効率化
資格の大原 予備校ならではの「通学への切替制度」
LEC東京リーガルマインド 通信から通学に無料変更可能「学習メディア変更サポート」

ネットスクール

受講生同士の交流・講師に個別相談などができる受講生専用SNS「学び舎」
ネットスクールの「学び舎」は、講義日程の確認や学習日記の記録、受講生同士の交流ができる受講生専用SNSです。
学習内容に関する「質問Q&A」は、講師のみが閲覧できる設定にすることで個別相談としても利用可能。

 

スタディング

AI問題復習や受験生交流などさまざまな機能が充実
スタディングは、効率的学習の継続をサポートする機能が充実しています。
「AI問題復習」は、AIがあなたの成績に応じて最適な復習タイミングを提案、その日に取り組むべき問題を自動で出題してくれます。
前回間違えた問題や特定の科目などの細かい条件が設定できるカスタムモードも搭載していて、便利です。
「スタディングチャレンジ」は、自身の学習スタイルに合うチャレンジを選んでクリアしていくことで、目標達成を目指せます。
仲間の取り組みに刺激を受けながらゲーム感覚で取り組むことができ、楽しみながら学習を継続できます。
「勉強仲間機能」を使えば、受験仲間と励まし合いながら学習を継続することができます。
モチベーションを維持し、学習の習慣化にも効果を発揮します。

 

資格の大原

通学校の変更、通信と通学の受講形態の変更も可能
通信で始めたが、やはり通学の方が合っていると感じるケースはありますよね?
そのようなときに資格の大原は、通信から通学への受講形態の変更が可能です。
通学から通信への変更、全国展開の強みを生かした通学校の変更とあわせ、転勤や引越しがあっても学習を継続できます。

 

資格のTAC

通信から通学に無料で変更できる「学習メディア変更サポート」
資格のTACには、長期戦になりがちな税理士試験の学習スタイルの変化に対応できる「学習メディア変更サポートがあります。
通学が難しいかたはまずWebの通信講座ではじめ、通学が可能になったら無料で教室講座に変更が可能です。