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“税界”の裏話 国税職員の「金」「銀」「銅」  税務調査は7月末から本腰

スポーツなどの競技の話ではないが、国税職員にも「金」「銀」「銅」の賞がある。国税組織の内部の話しだが、この賞こそ公務員のモチベーションを高める材料だ。一体どのような賞なのか。

国税職員の人事異動は7月10日。国税庁をはじめ国税局、税務署では異動後の挨拶もひと段落し、いよいよ次の仕事に着手しはじめる。

調査の現場では、お盆明けごろから実地調査が本格化するが、今から年末にかけての税務調査が一番厳しい。

税務職員も勤務評定があり、決められた年間の調査件数をどれだけ処理できたか、また調査内容はどうだったのかなど、上司が判断することになる。7月の人事異動から逆算すると、
年内にある程度の実績を残しておかないと高い評価は望めないことになる。

そのため、調査官らの間では、年内に終わる調査を「金賞」、来年3月までを「銀賞」、4月以降6月末までを「銅賞」と言うらしい。

年内であれば確定申告の準備にも影響しない。よく頑張ったということで金賞だ。3月までというのは、勤務評定に反映されるギリギリだから「銀賞」。これが4月以降になってしまえば、勤務評定にはほぼ影響することがないため「銅賞」となるらしい。ちなみに「どうしようもない賞」ということで「ドウショウ」とも。

「こうした課税当局の事情を理解して、調査の立ち会いをしていくことも実は重要」と、国税OB税理士は指摘する。

ただ、こうした勤務評定に影響されない調査官もいる。一旦定年退職し、再任用となっているベテラン調査官だ。彼らは希望すれば65歳まで働けるが、昇進などはない。基本的に仕事に対するモチベーションは、税務職員という責任感とプライドで保たれている。この部分を“侵害”してしまうと、「そりゃ厳しく、忍耐強い調査が待っている」(国税OB税理士)と言う。税務調査は、誰が担当するのか、調査時期なども考えながら対応するのが不可欠というわけだ。

著者: 宮口貴志

KaikeiZine編集長

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。現在は租税研究会の事務局長であり、会計事務所ウオッチャーとしても活動。
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